UAD Sound City Studiosレビュー|ボーカルとギターに使ってわかった「奥行き」と「質感」の違い

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tetsu7017
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Spotify・Apple Music で自作曲を配信している DTMer の tetsu7017 です。プラグインは403本・58メーカー(2026年7月時点)を所有しています。

自作曲「Blue Lagoon」のボーカルとギターに UAD Sound City Studios を使いました。先に結論を書きます。音を奥へ下げるだけなら、Cubase 付属のEQでも足りました。Sound City で変わったのは「部屋で鳴っている質感」です。 手軽に質感を足すなら、REVERB モードから始めるのがおすすめです。

制作中、ずっと引っかかっていたのは「音が前に張り付いて聴こえる」ことでした。ギターの音作りでは、自分の中で「リスナーとの距離感が欲しい」という言葉をそのまま目標にしていました。この記事は、その距離感を Sound City でどこまで作れたか、の記録です。

クリックして読める「目次」

UAD Sound City Studios とは

ロサンゼルスの伝説的スタジオの部屋を再現したプラグイン

Sound City Studios は、Nirvana・Fleetwood Mac・Tom Petty などの名盤が録られたロサンゼルスのスタジオです。UAD Sound City Studios は、その Studio A の部屋とマイク、コンソールを再現したプラグインです(出典:UA 公式製品ページ)。

UA のハードウェアがなくても、UAD Native として Mac・Windows で動きます(出典:Plugin Boutique 製品ページ)。

2つのモード:Re-Mic と REVERB

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モード何が起きるか公式が勧める使い方
Re-Mic元の音を、部屋のマイクで録り直した音に置き換える。Mix つまみは使わないドラムなどのまとめバスにインサートで挿す
REVERB元の音はそのままで、部屋の響きだけを足すエフェクトチャンネルへセンドして共有する(インサートでも可)

(出典:Sound City Studios Manual(UA 公式))

Re-Mic の仕組みそのものは、同じ UA の Ocean Way Studios の記事で詳しく書いています。

【実使用】Blue Lagoon のボーカルに Re-Mic で使った

設定:ボーカル4本をまとめたバスにインサート

Blue Lagoon のボーカルは、ACE Studio で作ったメイン・ハモリ(上下)・バックコーラスの4本です。歌声は「70D(ナオ)」です。
この4本をまとめたバス(Vox pre bus)のインサート1段目に Sound City を挿しました。まとめバスに挿すのは、公式マニュアルが Re-Mic で勧めている形と同じです。

  • SOURCE:VOCAL
  • MODE:RE-MIC
  • プリセット:Clear Lead Vocal から調整
  • マイク:CLOSE 1=C12/CLOSE 2=U67/ROOM=KM84(3本とも使用)
UAD Sound City Studios の VOCAL・RE-MIC 設定画面|Blue Lagoon のボーカル(Vox pre bus)
Blue Lagoon のボーカル4本をまとめたバスの設定

※ACE Studio は提供を受けて使用しています。

結果:マイクのバランスで「部屋で鳴っている感」は出た

近いマイク2本と部屋のマイク1本の音量バランスを調整すると、ちゃんと部屋の中で歌っている感じが出ました。質感は「まあまあ付いた」というのが正直なところです。

正直な比較:奥行きだけなら付属のEQと変わらなかった

制作の途中では、バックコーラスをチャンネル設定のEQだけで奥へ下げていました(高域を3dBほど下げる処理)。完成版では、そのEQを外してまとめバスの Sound City に切り替えています。

ただ、奥にいる感じは、EQのときと大きく変わりませんでした。 それでも Sound City にしたのは、部屋の質感が欲しかったのと、持っている以上は試してみたかったからです。

奥行きだけが目的なら、まず付属のEQで十分です。

【実使用】ギター2本で、Re-Mic と REVERB の結果が分かれた

2本のギターと、それぞれの使い方

Blue Lagoon では、打ち込みのギター音源2本に Sound City を使いました。どちらもアンプを通さない音(DI)を、Cubase 上のアンプのプラグインに通しています。SOURCE は2本とも GUITAR › PA Tight です。

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Electric Vintage(Session Guitarist)Ample LP(Ample Guitar LP 4)
挿し方トラックにインサートエフェクトチャンネルへセンド
MODERE-MICREVERB
プリセットDefault(変更なし)Tight High Electric – Gobos
マイクCLOSE=C414/ROOM 1=KM54/ROOM 2=U67CLOSE=オフ/ROOM 1=U67/ROOM 2=KM54
前後のプラグインUADx Dream ’65 Reverb Amp → Sound City → UADx Studio D Chorus → Pro-Q 4 → Relaybx_greenscreamer → UADx Lion 68 Super Lead Amp → UADx LA-2A Gray → UADx Galaxy Tape Echo → Replika XT → Pro-Q 4 → Relay →(センド)Sound City
センドなし(配信版で Sound City REVERB へのセンドを外した)Sound City REVERB のエフェクトチャンネル+ UADx Lexicon 224 のエフェクトチャンネル(部屋の響きは Sound City、長い残響は Lexicon 224 と役割を分けている)
UAD Sound City Studios の GUITAR・RE-MIC 設定画面|Blue Lagoon のギター(Electric Vintage)
Electric Vintage にインサートした Re-Mic の設定
UAD Sound City Studios の GUITAR・REVERB 設定画面|Blue Lagoon のギター用エフェクトチャンネル
Ample LP を送ったエフェクトチャンネルの REVERB の設定

Ample LP は Re-Mic で「変な空間に迷い込んだ」

Ample LP も、最初は Re-Mic で試しました。ところが、変な空間に迷い込んだような感じがして、外しました。最終的には、エフェクトチャンネルへ送って REVERB モードで部屋の響きを足しています。

一方の Electric Vintage は、Re-Mic のまま違和感がなく、完成版に残しました。

同じ Re-Mic でも、素材によって合う・合わないがはっきり分かれました。原因は確かめていません。上の表のとおり、2本はアンプも前後のエフェクトも違うので、どれが効いたのかは分からないままです。

比べて分かったこと:REVERB のほうが手軽で、変化が分かりやすい

2本を比べると、REVERB モードのほうが手軽で、質感の変化も分かりやすいと感じました。Re-Mic は元の音を置き換えるぶん、うまくはまれば効果は大きいですが、外れたときの違和感もはっきり出ます。

やってしまった失敗:部屋を二重にかけていた

Electric Vintage には Re-Mic をインサートしたうえで、Ample LP と同じ REVERB のエフェクトチャンネルにもセンドしていました。つまり、部屋を二重にかけていたことになります。

ソロで聴くと、反響が不自然でした。曲の中では一見気にならなかったのですが、センドを外した状態と聴き比べると、二重のほうがわずかに濁っていました。細かい差ですが、この曲では二重にしないほうがよいと判断し、配信版ではセンドを外しています。

Re-Mic を挿したトラックは、ほかの部屋系リバーブへのセンドが残っていないか確認してください。ソロでは気づきにくくても、聴き比べると濁りとして出ます。

【実測】CPU負荷:Sound City は Ocean Way より重かった

関連する検索に「重い」があったので、実際に測りました。

測定環境

  • CPU:Intel Core i7-14700F/メモリ:32GB
  • DAW:Cubase Pro 15
  • サンプリングレート・解像度:44.1kHz・24bit
  • バッファーサイズ:1024 samples
  • オーディオインターフェース:Steinberg UR22mkII
  • プラグインのバージョン:Sound City Studios v1.0.8/Ocean Way Studios Deluxe v1.0.1(UA Connect の表示で確認・2026-10-12)
  • 方法:空のプロジェクトに、オーディオトラックを1本だけ作成。Blue Lagoon の完成音源をループ再生し、プラグインを1つだけ挿して測定。プリセットは Default、SOURCE は DRUMS(Ocean Way は STUDIO B)
  • 読んだ指標:ASIO-Guard(再生するだけのトラックは、Cubase では ASIO-Guard の側で計算されるため)(出典:Steinberg「Details on ASIO-Guard in Cubase and Nuendo」)

測定結果

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状態ASIO-Guard挿す前との差
挿す前(インサートの電源オフ)2.25%—
Ocean Way・REVERB11.48%+9.23ポイント
Ocean Way・RE-MIC14.92%+12.67ポイント
Sound City・REVERB19.55%+17.30ポイント
Sound City・RE-MIC22.54%+20.29ポイント

各条件1回・十数秒の測定です(2026-10-11)。この環境・この条件で測った値として見てください。

翌日(2026-10-12)に同じ手順で Ocean Way の REVERB を測り直したところ、+10.02ポイントでした。日が変わっても差は1ポイント以内だったので、並べて比べられる値だと判断しています。

同じ手順で測った IK Multimedia の Sunset Sound Studio Reverb 2(v1.0.2・プリセット Welcome)は+4.61ポイントでした。部屋の響きを足すリバーブの中では、Sound City がいちばん重い結果です。

  • Sound City は、同じモードの Ocean Way より重い結果でした
  • どちらも、RE-MIC のほうが REVERB より重い結果でした

重さを抑えるコツ(公式マニュアルより)

  • REVERB モードは、エフェクトチャンネル1台に複数のトラックから送って共有すると、CPU を節約できます
  • 使わない部屋・EQ・ダイナミクス・チェンバーのモジュールはオフにすると、処理が軽くなります

(出典:Sound City Studios Manual(UA 公式))

どんな人に向くか

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こんな人おすすめ
手軽に部屋の質感を足したいREVERB モードをエフェクトチャンネルで共有
マイクを選んで、部屋の鳴り方まで作り込みたいRe-Mic モード(素材との相性は試して確かめる)
音を奥へ下げたいだけまずは付属のEQで高域を少し下げる
PC の余裕が少ないREVERB を1台だけ立ててセンドで共有。使わないモジュールはオフ

Ocean Way Studios との違い

同じ UA のスタジオ系プラグインに Ocean Way Studios Deluxe があります。Blue Lagoon では、ドラムと管弦楽の部屋を Ocean Way、ボーカルとギターを Sound City と分けて使いました。

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Sound City StudiosOcean Way Studios Deluxe
Blue Lagoon での使い方ボーカル(Re-Mic)・ギター(Re-Mic/REVERB)ドラム・ストリングス・ホーン・サックス(すべて REVERB のセンド)
ギター用のソースGUITAR タブ(PA/4×12/2×12)SPEAKERS タブ(Studio PA/4×12 Cab M/2×12 Cab V)
CPU負荷(上の実測)重め軽め

部屋の違いや Re-Mic の仕組みは、Ocean Way の記事で詳しく書いています。

鍵盤・シンセの部屋に使った Sunset Sound Studio Reverb II の実例は、こちらで書いています。

価格と購入

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価格は時期によって大きく変わります。最新の価格は、上のボタンから確認してください。

よくある質問

UAD Sound City Studios は重いですか?

筆者の環境では、プラグイン1つで ASIO-Guard が REVERB モードで約17ポイント、RE-MIC モードで約20ポイント上がりました。同じ UA の Ocean Way Studios Deluxe より重い結果です。REVERB モードを1台立ててセンドで共有すると、CPU を節約できます(公式マニュアル)。

UA のハードウェア(Apollo など)がなくても使えますか?

使えます。UAD Native プラグインなので、Mac・Windows のパソコンだけで動きます(出典:Plugin Boutique 製品ページ)。

Re-Mic と REVERB はどちらを使えばいいですか?

迷ったら REVERB から試すのがおすすめです。筆者がギター2本で比べたところ、REVERB のほうが手軽で、質感の変化も分かりやすく感じました。Re-Mic は元の音を置き換えるので、素材によって合う・合わないがはっきり分かれます。

Ocean Way Studios とどちらを選べばいいですか?

筆者は、ボーカルとギターに Sound City、ドラムと管弦楽に Ocean Way を使いました。どちらにもギター用のキャビネットのソースがあります。CPU に余裕がないなら、筆者の測定では Ocean Way のほうが軽い結果でした。

まとめ

  • 奥行きを出すだけなら、付属のEQでも十分だった
  • Sound City で変わったのは「部屋で鳴っている質感」
  • Re-Mic は素材によって合う・合わないが分かれる。迷ったら REVERB から
  • CPU は重め。REVERB を1台立てて共有すると抑えられる
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出典


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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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SEO検定1級保有、IT機器機構設計エンジニア
1970年福岡生まれ、大阪住み
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