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レッド・ツェッペリン風サウンドをDTMで作る|Shared Room Bus+パラレルコンプで「同じ部屋」に鳴らす実践ガイド
本記事はアフィリエイト広告を含みます。一部コンテンツの作成にAIを活用しています(詳細:編集方針)。

映画『レッド・ツェッペリン:ビカミング』が2025年秋に公開された。メンバー自身の証言、未公開ライブ映像、家族写真を紡いだこの作品は、「伝説がどこから始まったか」を静かに問いかけてくる。
その問いに対して、自分なりの答えを音で出してみた。
本記事では単なるプラグイン列挙ではなく、「全パートを同じ部屋で鳴らす」という一貫した方法論をもとに、ドラム・ベース・ギター・ボーカル各パートの設計を解説する。実例として、本記事の手法で実際に仕上げたハードロック・インスト曲「Bronze Hammer」を通底させる。
本記事の執筆スタンスについて: 各パートの設定は「AIで草案 → 実機で検証 → 実例(Bronze Hammer)で確認」のプロセスを経ている。検証していない部分(所有外プラグインの設定など)は「参考・要調整」と明示する。
この投稿の対象者
- レッド・ツェッペリンのようなヴィンテージロックサウンドをDTMで再現したい中級者以上
- 「各パートは良い音なのに、合わせると馴染まない」という壁にぶつかっているDTMer
- Shared Room Bus・パラレルコンプ・中域マスキングを実践で学びたい方
この投稿を読むメリット
- 「同じ部屋で鳴らす」概念図+実装図で、ルーティングの全体像が把握できる
- 実制作(Bronze Hammer)で検証済みの設定・数値が具体的にわかる
- 打ち込みから処理・マスタリングまで全工程を1記事でカバー
クリックして読める「目次」
レッド・ツェッペリンとは
レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)は1968年にロンドンで結成されたイギリスのロックバンド。
メンバー:
- ジョン・ボーナム(John Bonham):ドラム
- ジミー・ペイジ(Jimmy Page):ギター
- ロバート・プラント(Robert Plant):ボーカル
- ジョン・ポール・ジョーンズ(John Paul Jones):ベース/キーボード
ブルース・フォーク・民俗音楽を取り込んだ重厚なサウンドで、ハードロック/ヘヴィメタルの先駆けとされる。アルバム単位での作品性を重視し、スタジアム・ロックのスケールを確立した点でも後世に大きな影響を与えた。
【前提知識】1969〜1973年のZEPサウンド:時代の録音技術を知る
ZEPのサウンドを模倣するにあたって、まず押さえておくべきことがある。彼らが使っていた技術と、現代のDTMで「なんとなく使う」プラグインは、時代が違う。
アナログテープ主体の録音
ZEP初期(1969〜1973年)の録音は、アナログテープ(15 IPS / 30 IPS)が主役だ。テープを通ることで生まれる自然なサチュレーション・トランジェントの丸み・わずかなコンプレッションが、あの独特の「粘り」と「温かさ」を作っている。
DAWでこれを模倣するには、テープサチュレーション系プラグイン(UADx Studer A800など)を各バスに通すことが出発点になる。
リバーブは「部屋」で作った
ZEP初期のリバーブは主にプレートリバーブ(EMT 140)とルーム収録だ。ボーナムのあの巨大なスネアの鳴りは、Headley Grangeというイギリスのカントリーハウスのホールにドラムセットを置いて収録したことで生まれている。
重要なのは、デジタルリバーブはこの時代に存在しないという事実だ。
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| リバーブ | 登場時期 | ZEP初期への適合 |
|---|---|---|
| Plate(EMT 140) | 1957年〜 | ◎ 時代に合う |
| Chamber/Room収録 | 録音初期から | ◎ 時代に合う |
| Lexicon 224 | 1978年〜 | ✕ ZEP初期には存在しない |
| AIリバーブ(Neoverb等) | 2020年代 | ✕ 時代感を壊す |
「とりあえずNeovrebをかけておく」という現代的な判断は、ZEP風サウンドを一瞬で壊す。プレート+アナログ空間エミュレーションが正解だ。
EQは「削る」より「持ち上げる」文化
当時のコンソールEQ(Helios Type 69、Neve 1073等)は、現代のFabFilter Pro-Q 4のような「精密なカーブ」とは別物だ。ブーストすると倍音が乗り、独特の色づきが生まれる。「まず削って整える」のではなく、ビンテージEQで音楽的に「持ち上げる」ことで質感が出る。
この時代考証が、次のShared Room Bus設計の根拠になる。
【核となる考え方】「同じ部屋で鳴らす」= Shared Room Bus
従来のZEP風DTM解説の多くは、各パートが孤立したプラグイン列挙にとどまっている。ドラムの音が良くても、ベースの音が良くても、「同じ部屋で鳴っている感」がなければバンドサウンドにならない。
ZEPの録音がなぜ一体感を持つかというと、全楽器が同じ部屋(スタジオ)の空気を共有しているからだ。DTMではそれぞれの音が完全に分離したドライ信号から始まるため、意図的に「共通空間」を作る必要がある。
それが Shared Room Bus という設計だ。
センド/リターンのよくある誤解
「センド/リターンでリバーブをかける」という使い方は一般的だ。しかし、「被りの再現」と「共通空間アンビエンス」は別物だという点で、多くのDTMerが混乱している。
❌ よくある誤解:
「リバーブをセンドにかければ、同じ部屋感が出る」
✅ 正しい理解:
Room Busの目的は「各楽器が同じ空間の空気を吸っている」という感覚を作ること。各ドライトラックのアタックや音程はそれぞれのトラックが担い、Room Busは「共通の部屋の響き」だけを担当する。
このため、Room Busへのセンドはクリーン(処理前・または軽い処理後)のトラックから行う。コンプで潰した後のCRUSHバスなどは送らない(潰した音は既に部屋鳴り感を含んでいるため、二重になってMudになる)。
Room Busのチェーン構成(検証済み)
【Shared Room Bus チェーン】
① UADx Ocean Way Studios(Studio B)
Pre-Delay: 20〜30ms
200Hz以下をカット(低域の濁り防止)
② UADx Studer A800(テープサチュレーション)
15 IPS / 0VU〜+2VU
※リバーブの"後"に通すこと(前に通すと飽和が空間に混入しない)
③ UADx Pultec EQP-1A または FabFilter Pro-Q 4
音楽的なトーン補正
【センド元】
- Drum MAIN(クリーン)のみ ✅
- Drum CRUSH(コンプ後)→ 送らない ✅
- Bass → 基本送らない(低域死守) ✅
- Guitar → 送る ✅
- Vocal → 送る ✅
【リターン先】
- Wet(Room Busのリターン)は Master Busへ合流(ドライと並列)
なぜサチュレーションはリバーブの「後」か: リバーブの前にサチュレーターを通すと、倍音が加わった状態でリバーブが響く。後に通すことで、「部屋の空気がテープを通った質感」になる。これが時代考証と一致する(レコーディング後にテープを通す工程に相当)。
ドラム(ジョン・ボーナム)
ボーナムのドラムサウンドの本質は3つだ。①巨大なキックとスネアのアタック感、②広大なルーム感(Headley Grange的)、③タイトかつ揺らぎのあるグルーヴ。 プラグインを揃えるより、この3要素を軸に設計する方が早い。
音源:AD2 Blue Oyster(実使用)
使用するドラム音源はAddictive Drums 2のBlue Oysterキット。ボーナムが愛用したLudwigキットをモデルにしており、キックの「太い響き」とスネアの「高いクラッキング音」、広いルーム感が特徴だ。
AD2マルチアウト設定の前提(重要):
AD2をマルチアウトで使う場合、以下の点を把握しておかないと設計が崩れる。
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| 項目 | 実態 |
|---|---|
| シンバル(OH/HiHat)のパラアウト | 不可。OHとMASTERにしか出力されない |
| OHトラックの中身 | 全キット被り込みのアンビ収録。 クローズchをミュートしてもスネア・キック・HHの被りは消えない |
| MASTERステレオ | ミュートする。Cubaseに重ねて取り込まない。X(二重になる) |
| 内蔵Roomチャンネル | ミュートする。外部リバーブ(Ocean Way)に一本化 |
AD2あるある(ハマりポイント): 「シンバルをCRUSHに送りたくない → シンバルを抜く方法を探す」という発想になりがちだが、これは誤りだ。CRUSHにクローズK/S/Tomのみを送り、OHはMAINだけに流すという設計にすれば、シンバルはそもそもCRUSHに到達しない。分離処理は不要。
代替音源(所有外・参考):
Handy Drums JOHN BONHAM STYLE(ボーナム音をそのまま収録)、Spitfire Audio The Grange(Headley Grange的ルーム感)も選択肢だが、いずれも所有外のため設定は各自で確認を。
打ち込み:編集で”人間らしいグルーヴ”を設計する
ボーナムのドラムを打ち込みで再現しようとして、真っ先にやりたくなるのが「完璧なベタ打ち → 後からランダム化」だ。しかし本質は逆で、「演奏スキルではなく、編集スキルで人間らしさを設計する」という発想が重要だ。
5段階の打ち込みメソッド(実践済み):
① 打ち込み(ベロシティは気にせず入力)
② クオンタイズは甘め(60〜80%)。全部ジャストに揃えない
③ ベロシティ自動ランダム化(CubaseのLogical Editor)
④ 強拍(1・3拍のキック/スネア)を手動でブースト
⑤ ゴーストノート:ベロシティ30〜50、タイミングを微妙にズラしてマウス入力
AD2 Blue Oyster のキーマッピング(要注意):
GM標準からズレているため、新しいADpakを使う際は必ず実音で確認してから打ち込むこと。
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| パーツ | GM標準 | Blue Oyster実際 |
|---|---|---|
| Open HiHat | note 57 | note 55(−2半音) |
| Ride | note 60 | note 61/62 |
| note 84/86 | 通常は音あり | 無音(未実装) |
この実測はMPD218プリセット「FingerDr.」で検証済み。DAWの鍵盤ロールで音を鳴らして確認する習慣をつけると、「打ち込んだのに音が出ない」という無駄なデバッグ時間を防げる。
ハイハットの判断:
当初はOpen HH(note 55)を使っていたが、ミックスでコンプの余韻が暴れる問題が発生。クローズHH(note 49)に変更することで締まりが改善した。OH被り問題(後述)との整合もとれた。
ミックス:パラレルコンプ実装(MAIN+CRUSH)
ボーナムのドラムの「叩きつける感」は、強いコンプレッションによるパンチ感から来ている。しかしDrum Bus全体に1176を全押しすると、HiHatやシンバルまで潰れて破綻する。 ここで重要なのがパラレルコンプ設計だ。
MAIN+CRUSH の2バス構成:
【MAIN バス】(クリーン)
- クローズK/S/Tom + OH/HiHat すべて通す
- 軽いEQ・テープサチュ程度
【CRUSH バス】(強コンプ)
- クローズK/S/Tom のみ通す(OHは送らない)
- UADx 1176 Rev A(All Buttons In)
アタック:最速 / リリース:最速
GR:-10〜-20dB 程度
- CRUSHは Shared Room Busへ送らない
【ブレンド】
- MAIN(クリーン)フェーダーを軸に、
CRUSHフェーダーで「パンチ感」を足す
- CRUSHは15〜25%程度から試す
「CRUSH → Room Busへ送らない」の理由: 潰した音はすでに部屋鳴り感を含んでいる(コンプが空間感を生成するため)。送ると二重になりMudになる。Shared Room Busへ送るのはMAIN(クリーン)のみが原則。
使用プラグイン:
- コンプ(CRUSH):UADx 1176 Rev A(所有・実使用)
- Room:UADx Ocean Way Studios Studio B(所有・実使用)
- テープ:UADx Studer A800(所有・実使用)
ベース(ジョン・ポール・ジョーンズ)
ジョーンズのベースは「単なる土台」ではなく、「リズムを設計するメロディック・ベース」だ。Fender Jazz Bass(1961/62年製)の有機的なロー・ミッドと、ACOUSTIC 360アンプの「抜ける低音+軽い歪み感」が基盤にある。
音源と基本設定(実使用)
使用音源:MODO BASS 2(Studio Bass)
【打ち込み設定】
- ベロシティ自動ランダム化
- Aパートはシンコペ控えめ(タイト・堅実に)
- キックとは「完全同期」でなく「補完」設計
(拍頭で噛み合う、拍裏では独自に動く)
- 💡 メロディックライン(スライド/クロマチック)は展開部で導入検討
【アンプ設定】
- MODO BASS 2 内蔵アンプ+キャビ(実使用)
- 補助:AmpliTube 5(所有)
- ※ Ampeg SVT / Acoustic 360 専用プラグインは非所有。
実機のキャラクターを「参考」として内蔵アンプで近づける
【コンプ】
- UADx 1176 または LA-2A
- Ratio: 3:1 / Attack: 20ms / Release: 100ms / Gain Makeup: +2〜3dB
【EQ(FabFilter Pro-Q 4)】
- 60〜80Hz:タイトさを死守
- 150〜400Hz(ロー・ミッド):支配的な位置を確保
- 1kHz前後:わずかにブーストして存在感
低域住み分け(Pro-Q 4 ダイナミックEQ):
ベースとキックの50Hz帯域が常にぶつかると、低域が濁る。これを「常時削る」静的EQで解決しようとすると、キックが鳴っていない瞬間もベースが痩せ続ける。
解決策はダイナミックEQ+キック外部サイドチェーンだ。
Pro-Q 4 → ベーストラックに挿入
→ 50Hz帯をダイナミックEQに設定
→ 外部SC(External Sidechain)にキックを割り当て
→ キックが鳴った瞬間だけ、ベースの50Hzを-3〜5dB 削る
→ キックが鳴っていない間はベースはフルのまま
Room送りをしない理由と例外処理
ベースはShared Room Busへ基本的に送らない。60〜80Hzの低域をRoom Busに送ると、リバーブで低域が広がり、バンド全体のローエンドが濁るからだ。
例外として、「ジョーンズ的な中高域のピッキング感だけ部屋に響かせたい」場合の設定:
センド側で 250Hz以下をHPF(ハイパスフィルター)でカット
→ 中高域(ピッキングのアタック感)のみをRoom Busへ
→ センド量はドラムの1/10程度(Drum:Bass = 10:1〜2)
ギター(ジミー・ペイジ)
ペイジのギタートーンの核は「上手く弾く」ではなく「危うさ・荒削り」だ。ジャストに置かない、わずかに走る・モタる、クリーンではなくクランチ〜ナチュラルな歪み。これがLed Zeppelinのグルーヴ感の正体だ。
音源:Ample Guitar LP 4(所有・実使用)
レスポール系の定番音源。バッキング・リードともBronze Hammerで実使用。
打ち込み:Haasダブルトラックとペイジ的ルーズさ
バッキングギターの広げ方(Haas的ダブルトラック):
① バッキングGtトラック(L)を打ち込み
② そのトラックをコピー(R用)
③ RトラックにTrack Delay +7ms を設定
④ L: パン L70〜73 / R: パン R73 に振る
これだけでステレオの広がりが出る。手間が少なく、確実に効く。
モノ互換の注意: 配信はステレオなので実用上の問題はないが、気になる場合はCubaseのモノボタンで確認推奨。7msのコムフィルターが発生する場合は位相を調整する。
リードギターの収録(5テイク コンピング):
① 60BPMで録音(複雑フレーズは半速録音)→ 120BPMで確認
② Cubaseのレーン録音で5テイク取る
③ レーンコンピングで最良フレーズを選択
④ 「MIDI → MIDIパートのバウンス」で統合
※ Cubase Pro 15の正式名称。「Merge Comp」等は他DAWの用語
⑤ ピッチベンドはバウンス"後"に追加
(録音中に入れると全レーンに同時適用されるため)
ピッチベンドの設定(±2半音固定):
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| 音程 | カーブ位置 |
|---|---|
| 全音(2半音) | 頂点 100% |
| 半音 | 50% |
| クォーター | 25% |
| カーブ形状 | 下凸の放物線 |
💡 ペイジ感の上乗せ10技法(提案・未実装):
以下は技法の方向性として有効だが、Bronze Hammerでは未検証。参考として記載する。
- ルーズなタイミング(±10〜30ms)
- 広く遅いビブラート(CC#1)
- ベンド+頂点ビブラート
- クォータートーン
- プルオフ連符
- ダブルストップ
- ペンタ下降ラン
- リピートモチーフ
- ダイナミックピッキング(vel 60→110)
- プリベンド&リリース
中域マスキング:Pro-Q 4 ダイナミックEQ
バッキングギターとスネアは800Hz〜2kHz帯域が重なりやすい。両方がフルで鳴ると「詰まった中域」になり、70年代ロックの抜け感が出ない。
解決策:スネアSCのダイナミックEQ(実践済み):
Pro-Q 4 → バッキングGtバスに挿入
→ 800Hz〜2kHz をダイナミックEQに設定
→ 外部SC(External Sidechain)にスネアを割り当て
→ スネアが鳴った瞬間だけギターの中域を-2〜3dB 凹ます
→ スネアが鳴っていない間はギターはフルのまま
補完EQ(UADx Helios Type 69):
→ バッキングGtバスに Helios Type 69 を追加
→ 1k〜2kHzをわずかにブースト(音楽的な倍音で中域を強調)
→ Shared Room Bus側EQで-1〜-2dB を「譲る」
→ ギターとスネアがパズルのピースとして噛み合う
その他ギター処理:
- HPF: 100〜120Hz(低域カット)
- 8〜10kHzをロールオフ(高域の耳障り感を取る)
- L/Rハードパン(バッキングはL/Rに完全分離)
- リードギター:L/R 100%(センター)
ギターテープエコー:
Pulsar Echorec(所有・実使用)。
ボーカル(ロバート・プラント)
Bronze Hammerはインスト曲のため、ボーカル処理は実例がない。ここはZEP初期の時代考証+一般的なアプローチとして記載する。
プラントのボーカルの特徴:
ブルース由来のシャウト(スクリーム)とファルセットを混ぜた広いレンジの発声。腹圧を強くかけて頭声域に抜くことで独特のハイトーンが出る。単に叫ぶのではなく「押し引き」を意識したダイナミックな歌唱が重要。
マイク(時代考証):
1969〜1973年の録音ではShure SM58・SM57等のダイナミックマイクをアンプ近く〜中距離配置で使っていた。近接効果を意識し、ボーカル録音にEQで中高域(3〜6kHz)を持ち上げると「Live感」が出る。
エフェクト設定:
【コンプ】
アタック遅め・リリース短め
→ 瞬発的な声の抜けを維持しながら中域の厚みを残す
【EQ】
- 200Hz以下を軽くカット
- 3〜6kHz をブースト(プラント的ハイトーン)
- 7〜8kHz に少しエア感を追加
【リバーブ(時代考証準拠)】
Abbey Road Reverb Plates(所有・実使用)
→ Decay: 1.8〜2.5秒
→ Pre-Delay: 30ms
→ 「Zeppelinスタジオ感」を再現
※ AIリバーブ(Neoverb)・デジタルリバーブ(Lexicon系)は時代が合わないため不使用
【ディレイ】
短めのスラップバック(120ms前後)を少量
→ ZEP初期風の空気感
【サチュレーション】
クリーン録音後に軽い倍音歪みを追加
→ 実機の温かさを模倣
💡 ACE Studioでの応用:
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マスタリング(iZotope Ozone 11 Advanced)
Bronze Hammerでの実測値(確定):
Integrated LUFS: -7.2
True Peak: -2.51dB
この数値に至るまでの判断プロセスを共有する。
Ozone 11でZEP初期感を守るための鉄則
❌ やりがちな失敗:ClarityとStabilizerを積極的に使う
Ozone 11のAIアシスタント(Clarity/Stabilizer)は、現代的な「クリアでバランスの良いサウンド」を目指す。ZEP初期の「荒削りで温かみのある70年代感」は、これと真逆だ。
Clarity: オフ〜10%以下(積極的に使わない)
Stabilizer: Cut モードのみ(Boostは使わない)
✅ Maximizerの設定(実践済み):
アルゴリズム: IRC IV Classic
(Punchより70年代の温かさが出る)
Upward Compress: +1.6dB
Transient Emphasis: 23%
Character: 1.18(遅め)
→ リミッターがアタックを即座に叩かないようにする
スネアのアタックを潰さない工夫が肝:
Transient Emphasisでアタックを持ち上げ、CharacterをややSlowにすることでリミッターの反応を遅らせる。Deltaモードで「スネアが削られていないこと」を確認すること。
✅ Impact(Maximizer直前):
キック(0〜100Hz): アタック +2.0
スネア(1k〜2.5kHz): アタック +1.5
サスティン: いじらない
✅ Vintage Limiter(Tube):
各バスでStuderを通しているため、マスター段のサチュレーションは控えめに。Vintage Limiter Tubeを薄く一塗りする程度。
Output Level:-1.0dB / True Peak ON(配信クリップ防止)
LUFS目標値の考え方
Spotify ノーマライズ: -14 LUFS
→ -14LUFSに合わせると「静かに聴こえる」感覚になることがある
→ ハードロックは密度感が命。-10〜-8 LUFS程度が実用的
Bronze Hammer実測: -7.2 LUFS(当初目安-9より高密度)
→ ジャンルと耳で最終決定するのが正解
→ 「LUFS目標は絶対ではない。音楽的な密度感を優先する」という学びも記事の価値
実例:Bronze Hammer
本記事の手法(Shared Room Bus+パラレルコンプ+中域マスキング+Ozoneマスタリング)で実際に仕上げたハードロック・インスト曲。
▶ Bronze Hammer(32秒・サビ×2)
-7.2 LUFSの密度とタイトな低域を両立
第三者評価(AI音声解析):
AI音声解析(Gemini)による聴感評価で、以下の評価を得た。
- 「配信プラットフォームへ納品可能な商業レベルの完成度」
- 「スネアのアタックは潰れず生きている」
- 「低域はタイトで濁りなし」
- 「リードは金物と分離して抜けている」
※ 評価主体はAI解析であることを明記した上で、実際に作り・客観評価も通したという事実として紹介する。
制作の試行錯誤(やりがちな失敗として):
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| 試したこと | 結果 |
|---|---|
| Drum Bus全体に1176全押し | HiHat等に効きすぎ破綻。個別処理へ転換 |
| キック「Drum Squash」プリセット | 潰しすぎで低域がうなる |
| ベースへのStuder中低域ドライブ | 変化少なく不採用 |
| リードへのM/S処理 | リードはモノtrでSide成分なし・不採用 |
1ヶ月後の再リライト予定:
各パートの打ち込み・エフェクト設定の解説動画をアップロード後、本記事に追加予定。
まとめ
本記事の核心は「プラグインを揃えること」ではなく、「1969〜1973年の録音技術を理解し、DTMで同等の仕組みを設計すること」だ。
本記事の要点:
- 時代考証を理解する: ZEP初期はテープ+Plate/Chamber。Lexicon・AIリバーブは時代が違う
- Shared Room Busを設計する: 全パートが「同じ部屋の空気を共有」する仕組みを作る
- ドラムはパラレルコンプ: MAIN(クリーン)+CRUSH(1176 All Buttons In)のブレンド
- ベースは低域を死守: Room送りは基本しない。するなら250Hz HPFで中高域のみ
- ギターは中域マスキング: Pro-Q 4 ダイナミックEQ+スネアSCでペイジの「抜け」を作る
- マスタリングは70年代感を守る: ClarityとStabilizerは控えめに。IRC IV ClassicとTransient Emphasisで密度と温かさを両立
このノウハウはあくまで「実践から導いた設計思想」だ。最終的にはご自身の環境と耳を頼りに、調整を重ねて「あなたのレッド・ツェッペリン」を創り上げてほしい。
よくある質問(FAQ)
Shared Room Busには何を送ればいいですか?
クリーン(処理前または軽処理後)のトラックから送ります。コンプで強く潰したバス(CRUSHなど)や、ベースの低域成分は送りません。送った音が部屋で響いた結果が、全パートに共通するアンビエンスになります。
AD2以外のドラム音源でも同じ設計は使えますか?
パラレルコンプ(MAIN+CRUSH)の設計はどのドラム音源でも使えます。ただしAD2マルチアウト特有の「OH被り込み」問題は音源によって異なるため、マルチアウト設定は各音源の仕様を確認してください。
LUFS -7.2は高くないですか?Spotifyに上げて大丈夫ですか?
Spotifyは-14 LUFSにノーマライズするため、-7.2 LUFSでアップロードしても音量は下げられます。ただしダイナミクスの「密度感」は保たれます。ハードロックとして音の圧を優先した結果がこの数値で、本人判断でOKとしています。LUFS目標はジャンルと耳で最終決定するのが正解です。
ボーカルがいない場合(インスト)でも本記事の手法は使えますか?
はい。Bronze Hammer自体がインスト曲で、本記事の手法で仕上げています。ボーカルチャプターは参考として残していますが、インスト制作ではスキップしても問題ありません。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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