sonible smart:chain レビュー|Neutron 5と使い分けて1曲仕上げた構成とCPU負荷【実測】

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tetsu7017
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【DTM】 Cubase Pro 15・所有プラグイン403本/58メーカー・Spotify/Apple Music配信中
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この記事の結論

※本記事の smart:chain は、Plugin Boutique 経由で sonible から提供を受けたライセンスを使用しています。

Cubase Pro 15 で曲を作って配信している DTMer の tetsu7017 です。(所有プラグインは 403本・2026年7月の棚卸し時点)

結論から書きます。楽曲『Nocturnal Drive』では、楽器トラックに smart:chain、バスに Neutron 5 の Unmask、マスターに Neutron 5 の Visual Mixer という分担で、1曲を最後まで再生が止まらずに仕上げました。smart:chain を全部 OFF にした状態と比べた負荷の差は、ASIO-Guard 負荷で 2.20 ポイント、リアルタイム負荷はほぼ変化なしでした(測定条件は後述)。

smart:chain と Neutron 5 は「どちらか1本」ではなく、受け持つ層が違うため併用できる、というのが実際に使ってみた結論です。

smart:chain は「音を聴いて初期設定を作る」チャンネルストリップ

smart:chain は、EQ・コンプなどの処理を一列に並べたプラグインです。Learn(学習)を押すと音を解析し、各処理の初期設定を作ります。並び順そのものは固定で、Learn が決めるのは各処理の設定値です。

マニュアルに載っている処理の並びは次のとおりです。

  1. Gate
  2. Equalizer
  3. De-Ess / De-Harsh
  4. Input Rider
  5. Compressor
  6. Saturator
  7. Clipper

これとは別に、複数トラックに挿した smart:chain どうしで音量を揃える Auto Leveling と、グループ内で「Front(手前)/Middle(中間)/Back(奥)」に振り分ける機能があります。公式サイトは処理の数を「8つ」と数えています。数え方によって数字が変わるため、本記事では個数ではなく中身で書きます。

リバーブやディレイは入っていません。響きは別のプラグインで作る前提です。

私が使ったのはバージョン 1.0.1(VST3)です。2026年11月時点で 1.1.0 が公開されていますが、本記事の測定はすべて 1.0.1 です。

出典:sonible smart:chain 製品ページ

導入前の課題:前作では再生が途中で止まっていた

前作『Blue Lagoon』の制作では、再生中に音が途切れて止まることが何度もありました。Neutron、Kontakt 音源、スタジオ系リバーブをたくさん挿していた曲です。

途切れが減ったのは、次の対策を重ねたあとです。

  • バッファーサイズを 2048、動作モードを Stable に変更
  • メーター系プラグイン(SuperVision)を削除
  • Kontakt の Purge でメモリ使用量を約 16.4GB から約 8.2GB へ
  • ボーカル系の Nectar をプリバスへ集約

このうちどれが効いたかは切り分けていません。Neutron 単体の負荷も測っていません。ただ、トラックごとに音作り用のプラグインを重ねるやり方は重い、というのが当時の体感でした。

そこで次の『Nocturnal Drive』では、音作りの役割を smart:chain と Neutron 5 で分ける構成に変えました。その結果、前作と同じバッファー設定のまま、最後まで止まらずに制作できました。smart:chain に替えたことだけが理由だとは言えない点は、先に書いておきます。

【実運用】Nocturnal Drive での役割分担

楽器の音作りは smart:chain、楽器どうしのぶつかりは Neutron 5、全体の見渡しは Visual Mixer という分け方にしました。

この分担で仕上げた曲が、tetsu7017 の『Nocturnal Drive』(80年代風シティポップ)です。

※ボーカルはACE Studio(AI歌声合成)で制作しています

※ACE Studio は提供を受けて使用しています

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場所使ったもの役割
楽器トラックsmart:chainトラックごとの音作り(EQ・コンプなど)
バスNeutron 5(Unmask)楽器どうしの帯域のぶつかりを整理
マスターNeutron 5(Visual Mixer)Neutron 5 と Relay を挿したチャンネルの定位と音量を一画面で確認
ボーカルNectar 4smart:chain は挿さない
ドラムのタムAddictive Drums 2 内蔵のコンプ・EQsmart:chain は挿さない
Cubase Pro 15 のミキサー。バスに Neutron 5 の Unmask、マスターに Neutron 5 の Visual Mixer
楽器トラックに sonible smart:chain を挿した Cubase のミキサー

smart:chain のグループ画面で数えられただけで、15 トラック(Kick・Snare・HiHat・Congas、DX7 エレピ、バイオリンからコントラバスまでの弦 4 パート、ブラス、サックスなど)に挿しています。一覧はこれより下にも続いていたので、実際はそれ以上です。

smart:chain のプロファイルは、音源に合わせて Keys/Electric、Strings/Violin などを選んでから Learn しています。Neutron 5 を挿していないチャンネルも Visual Mixer に表示させるため、軽量版の Relay を挿しています。Visual Mixer の一覧で数えると 13 か所で、バス 5 本、タム・フロア・ハイハット・オーバーヘッドなどドラムの各パート 7 本、ピアノの Grandeur 1 本です。Grandeur には smart:chain と Relay の両方を挿しています。

タムに挿さなかったのは、音源側のコンプと EQ で十分だったからです。私の判断基準は「音源側で完結するトラックには挿さない。音源内蔵の処理を切るなら smart:chain に任せる」です。この曲での使い方であり、どの曲にも当てはまるとは限りません。

この構成は Cubase のテンプレートに入れてあり、次の曲以降も同じ形で始めます。

この構成を Cubase の画面で順に見せた動画です(2分52秒)。

【実測】smart:chain を全部 OFF にしたときとの CPU 負荷の差

楽器トラックの smart:chain をすべて OFF にしても、リアルタイム負荷はほぼ変わらず、ASIO-Guard 負荷が 2.20 ポイント下がっただけでした。バイパスではなく、プラグイン自体を OFF にしています。

測定環境

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項目設定
DAWCubase Pro 15
オーディオインターフェイスSteinberg UR22mkII(Yamaha Steinberg USB ASIO)
バッファーサイズ2048(モード Stable)
サンプルレート/処理精度44.1kHz / 32bit float
レイテンシー入力 55.306ms / 出力 63.288ms
ASIO-Guard有効・高(レイテンシー 92.880ms)
マルチプロセッシングON
smart:chain 側Latency Normal / Oversampling Off

結果(Cubase の Audio Performance 表示)

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状態リアルタイム負荷ASIO-Guard 負荷読み取った位置
smart:chain すべて ON2.27%79.45%0:02:14.920
smart:chain すべて OFF2.28%77.25%0:02:14.980
smart:chain をすべて ON にしたときの Audio Performance(ASIO-Guard 79.45%)
smart:chain をすべて OFF にしたときの Audio Performance(ASIO-Guard 77.25%)

どちらの状態でも、2分以上の再生で途切れは出ませんでした。

この数字で言えないこと

  • 1曲・1回の測定です。別の曲やトラック数では値が変わります。
  • 全プラグインを切った状態(ベースライン)は測っていません。
  • 録音用の小さいバッファーや、ASIO-Guard を「標準」「低」にした場合は測っていません。
  • Oversampling を上げると負荷は増えるとマニュアルにあります。今回は Off です。
  • Neutron 5 の負荷は測っていません。「Neutron 5 より軽い」とはこの数字からは言えません。

【実機画面】Learn が作った設定を 2 トラックで比べた

Learn の結果でトラックごとに違ったのは EQ カーブの形とコンプの設定値で、どの処理を使うかの ON/OFF は 2 トラックで同じでした。画面で確認したのは、DX7 のエレピとバイオリン(Violin 1st)の 2 トラックです。

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処理DX7 エレピViolin 1st
プロファイルKeys/ElectricStrings/Violin
GateOFFOFF
De-HarshOFFOFF
SaturatorOFFOFF
EQ カーブの形300Hz 付近を削り、ほかはほぼ平ら低域を大きく下げ、1k~5kHz に細かい凹凸
コンプ Ratio2.1:13.5:1
コンプ Attack6ms73ms
コンプ Threshold-25.0dB-38.8dB
smart:chain の Learn 後の画面(DX7 エレピ・Keys/Electric)
smart:chain の Learn 後の画面(Violin 1st・Strings/Violin)

EQ 画面の下に出る数字(周波数や Impact など)は、両トラックで同じ値でした。これは Learn の結果ではなく、重み付けカーブの初期値です。Learn の結果として見るべきなのは、カーブの形のほうです。

Gate と De-Esser は、初期状態で OFF とマニュアルにあります。私の環境の設定画面でも、Gate・De-Esser・De-Harsh・Auto Leveling の初期値は OFF でした。Saturator は設定画面に項目がなく、今回の 2 トラックでは OFF でした。どの音源でも OFF になるかは確認していません。

使わなかった機能と、その理由

今回は Auto Leveling と Front/Middle/Back を使っていません。試していないので、この 2 つの効果については本記事では断定しません。

Auto Leveling

初期状態が OFF で、そのまま使いました。マニュアルでは、Learn 済みの smart:chain が 2 つ以上あると使えるようになり、曲全体で意味のあるバランスを得るには、関係する音源すべてに smart:chain が必要とされています。私はボーカルやタムに挿していないので、その前提を満たしていません。

Front/Middle/Back(奥行きの振り分け)

この曲では、UADx のスタジオ系リバーブで各楽器の奥行きを先に決めていました。そこへ smart:chain の Front/Middle/Back を重ねると、奥行きを 2 か所で決めることになり、狙いとずれるのではないかと考えて使いませんでした。

Front/Middle/Back は EQ やコンプで前後の印象を作る機能で、残響を付けるものではありません。また、効くのは同じグループに入れた smart:chain の間だけです(1 グループ最大 10 個)。リバーブを使わずに前後を付けたい曲では、試す価値があると思います。

Gate と De-Esser

初期状態の OFF のままです。楽器トラック中心の使い方では、入れる必要を感じませんでした。

Neutron 5 と競合するか:受け持つ層が違う

競合はしませんでした。どちらも「チャンネルストリップ」と紹介されますが、私の使い方では持ち場が分かれています。Neutron 5 は自分で購入したもの(Mix & Master Bundle Advanced に含まれるもの)を使っています。

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層担当やっていること
1 トラックの音smart:chainその楽器だけを聴いて EQ・コンプを作る
楽器どうしのぶつかりNeutron 5 の Unmaskバスの中で、他の楽器と重なる帯域を譲らせる
曲全体の見渡しNeutron 5 の Visual MixerNeutron 5 と Relay を挿したチャンネルの左右・音量・幅を一画面で動かす
Neutron 5 Visual Mixer のチャンネル一覧(Relay と Neutron)

Visual Mixer で動かせるのは、左右(パン)、上下(音量)、幅の 3 つです。奥行きの軸はありません。私は奥行きをリバーブ(UADx のスタジオ系や Neoverb)で作っています。smart:chain の Front/Middle/Back は EQ とコンプで前後を作るので、ここも役割が異なります。

「smart:chain 1 本でミックスが十分か」という問いには、条件付きで答えます。楽器ごとの EQ とコンプを任せるなら、個別に EQ やコンプを買い足さずに済みます。ただしリバーブやディレイは別に必要です。

購入前に知っておきたいこと

まず 30 日間の体験版で、自分の曲の楽器トラックに挿してから決めるのが安全です。体験版は機能制限がありません。

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項目内容
体験版30 日間・全機能
対応形式VST3 / AU / AAX
対応 OSWindows 10(64bit)以降 / macOS 11 以降
動作環境メモリ 4GB 以上、Intel Core i5 または Apple Silicon、OpenGL 3.2 以上
サンプルレート44.1~192kHz
認証マシン認証(1 ライセンスで 2 台)または iLok(1 アクティベーション)
学生・教員sonible の EDU プログラムで 40% 引き

私は iLok で認証しました。iLok を選ぶと 1 台分になるので、2 台で使いたい人はマシン認証のほうが向いています。

価格は下の商品ボックスで確認してください。

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出典:sonible smart:chain 製品ページ / sonible EDU プログラム

よくある質問

Neutron 5 を持っていても smart:chain は必要ですか?

楽器ごとの音作りを手早く済ませたいなら、併用できます。私は楽器トラックを smart:chain、バスとマスターを Neutron 5 と分けました。すでに Neutron 5 を全トラックで使いこなしていて不満がないなら、急いで足す必要はありません。

リバーブと一緒に使っても問題ありませんか?

問題ありません。smart:chain にはリバーブがないので、響きは別に作ります。ただし、リバーブで奥行きを決めている曲で Front/Middle/Back も使うと、奥行きを 2 か所で決めることになります。私はそれを避けて使いませんでした。

全トラックに挿すと重くなりますか?

私の環境(バッファー 2048・ASIO-Guard 高・Oversampling Off)では、楽器トラック(タムを除く)に挿した状態と、それらをすべて OFF にした状態の差は ASIO-Guard 負荷で 2.20 ポイントでした。バッファーを小さくした場合や Oversampling を上げた場合は測っていません。

対応している DAW と形式は?

VST3・AU・AAX に対応しています。私は Cubase Pro 15(Windows)で VST3 版を使っています。

smart:chain だけでミックスは終わりますか?

楽器ごとの EQ とコンプは任せられますが、リバーブやディレイは別に必要です。私はさらにバスとマスターで Neutron 5 を使っています。

まとめ:楽器トラックの音作りを任せたい人に向いている

smart:chain は、楽器トラックごとの EQ とコンプを Learn でまとめて用意したい人に向いています。私は Neutron 5 と層を分けて併用し、『Nocturnal Drive』を最後まで止まらずに仕上げました。いまは Cubase のテンプレートに入れて使っています。

向いている人

  • 楽器の数が多く、トラックごとの初期設定に時間がかかっている人
  • Neutron 5 などをすでに持っていて、バスやマスターと役割を分けたい人

向いていない人

  • リバーブやディレイまで 1 本で済ませたい人
  • 楽器ごとの EQ とコンプをすべて自分で作りたい人

迷っているなら、まず 30 日間の体験版で自分の曲に挿してみてください。

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出典


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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

tetsu7017のアバター tetsu7017 DTM Composer / 機構設計者 / SEO検定1級

副業マルチクリエーター

ブログ歴11年(ブランクあり・現サイト2年目)/DTM作曲、AI画像・動画制作、HP制作、ガジェットレビュー
SEO検定1級保有、IT機器機構設計エンジニア
1970年福岡生まれ、大阪住み
AIやITツールを活用しながらブログ・オリジナル曲・動画の発信を楽しんでいます。
リタイア後も自由な時間を活かして充実した人生を目指しています。
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