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Sunset Sound Studio Reverb II レビュー|Ocean Way・Capitol所有の筆者が”買い足す意味”を実機比較【DTM】
本記事はアフィリエイト広告を含みます。一部コンテンツの作成にAIを活用しています(詳細:編集方針)。

【PR】本記事は、Plugin Boutique様より製品(NFR)の提供を受けて執筆した、プロモーションを含む内容です。
配信DTMerとして272本・48メーカーのプラグインを日々使い分けている筆者ですが、リバーブ、とくに「スタジオの空気感」を出す系統には目がありません。UADのOcean Way Studios Deluxe、Capitol Chambers、Hitsville Chambers、Sound City Studios ― いわゆる”実在スタジオ系リバーブ”はひととおり所有し、実際に楽曲制作で使い分けています。
その筆者が、IK Multimediaの Sunset Sound Studio Reverb II を実機で試しました。
先に結論をお伝えします。この製品は「挿した瞬間に宅録が激変する派手なリバーブ」ではありません。むしろ自然で正直な鳴りが持ち味で、ミックス全体に”実在スタジオで録った空気”を敷く空間設計ツールです。だからこそ、すでにスタジオ系リバーブを持っている人ほど「録り音の質感」と「ミックスの空気感」を分業でき、2本目として足す意味がはっきりします。以下、実在スタジオの背景から、他の所有リバーブとの住み分け、正直な惜しい点まで順に解説します。
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クリックして読める「目次」
そもそもSunset Sound(サンセットサウンド)とは?
実在スタジオ「Sunset Sound」
Sunset Soundは、ロサンゼルス・ハリウッドにある伝説的なレコーディングスタジオです。1958年、ウォルト・ディズニーの録音ディレクターだったTutti Camarata氏が創設。元・自動車整備工場を改装した建物が母体で、車庫由来の傾いた床や非平行の壁が定在波を抑え、独特の部屋鳴りを生む一因になったと語られています。
最初の数年はディズニー作品(『バンビ』『101匹わんちゃん』など)の録音に使われ、その後外部クライアントへ開放。現在も3つのスタジオ(Studio 1/2/3)を持ち、それぞれにライブルームとアイソレーションブースを備えます。多くのスタジオが失った”生きたエコーチェンバー”を今も3室維持しているのが大きな特徴で、チェンバー#1はスタジオ開設時に作られ、数々の名盤の残響として知られています。コンソールもStudio 2はNeve卓、Studio 1と3はカスタムのSunset Sound/API系卓と、部屋ごとに個性があります。
The DoorsやPrince(Studio 3は通称”Prince Room”)をはじめ、60年以上にわたり300枚を超えるゴールドアルバムを生んできた、今も家族経営が続く名門 ― それがSunset Soundです。
「スタジオルームリバーブ」とは?
Sunset Sound Studio Reverbは、この実在スタジオのエコーチェンバー・ライブルーム・ブース、さらにヴィンテージのプレート(EMT 140、Echoplate)やスプリング(AKG)といった実機のリバーブを、そのカスタム卓やマイクの質感まで含めて再現しようとしたプラグインです。
キャプチャにはIK独自のVRM(Volumetric Response Modeling=ハイブリッド・コンボリューション)が使われ、実際のセッションのマイク位置を再現し、コンソールのプリアンプ・信号経路の倍音まで加えることで、従来のコンボリューションを超えた質感を狙っています。つまり「スタジオルーム」とは、単なる残響ではなく”その部屋で録った音の空気ごと”を指します。
普通のルームリバーブと何が違う?
スクロールできます
| 観点 | 普通のルームリバーブ | スタジオルームリバーブ(Sunset II) |
|---|---|---|
| 空間の出どころ | アルゴリズムや汎用IRで“架空の部屋”を生成 | 実在スタジオの部屋・チェンバー・ブースをIR+VRMでキャプチャ |
| 作るもの | 任意の部屋の残響(Size/Decayで調整) | 特定スタジオの“録り音の空気”ごと再現 |
| 含まれる要素 | 残響そのもの | 残響+初期反射+マイク位置+コンソールの倍音 |
| 音像の作り方 | パン+Decayで奥行き | 音源ポジションで”部屋の中の物理的な位置”を指定 |
| 立ち位置 | 手軽に空気感を足す | ミックス全体の空間設計 |
「汎用的な残響を足す」のではなく「特定の実在スタジオで録った状態を再現する」 ― この違いが、この記事全体の軸になります。
Sunset Sound Studio Reverb II の特徴(II世代の進化)
前作(T-RackS内蔵)からの主な進化点は次のとおりです(仕様はIK Multimedia公式に基づく)。
- スタンドアロン化:T-RackSの一部ではなく、単体プラグインとして独立。
- 音源ポジションの大幅拡張:各スタジオで最大27箇所の音源ポジションを選択でき、ドラムを中央、ギターを壁寄り、ボーカルを手前…といった”実際のマイキング配置”を再現できます。パンではなく「部屋の中の物理的な位置」で音像を作れるのがポイント。
- 336のインパルスレスポンス:ルーム/チェンバー/ISO/プレート/スプリングを多数収録。
- 2基の独立リバーブエンジン:ルーム+プレート、チェンバー+ルームなどを重ね、センド1系統で奥行きのある空間を設計できます。
- コンソール・プリアンプのモデリング:API系・NEVE系など、スタジオ卓の倍音を加えて質感を仕上げます。
スペックだけ見ると”全部入り”ですが、実際の使用感は次のとおりでした。
実際に使ってみた第一印象(配信DTMerの正直な感想)
まず正直な所感から。筆者のLo-fiトラックで、エレピ(エレクトリックピアノ)のリバーブをSunset Sound Studio Reverb IIに差し替えてみました。ほぼデフォルト・軽めの設定で試したところ、「ルーム感が一気に前へ出る」ような派手な即効性は感じませんでした。
良く言えば、自然で嫌味なく馴染む。裏を返せば、デフォルトのまま挿しただけで劇的に化けるタイプではない、という印象です。
ただ、これはこのプラグインの素性を考えると腑に落ちます。Sunset Soundのルームはもともと”wetで派手”ではなく、自然で正直な鳴りが持ち味とされる空間です。その質感を再現している以上、控えめさは仕様どおりとも言えます。派手なルーム感を狙いたい場面では、より反射の強い部屋の選択や、Size・Decay・センド量といった作り込みが前提になりそうです(今回はデフォルト付近での確認です)。
「単体で挿して”おっ”となる」より、ミックス全体に敷いて初めて効くタイプ ― これが第一印象でした。そしてこの性格こそ、次の”住み分け”の話につながります。
この”自然に馴染む”感じは、文章より耳で聴くほうが早いです。同じエレピでCubase付属リバーブと並べたA/Bを、1分半にまとめました。
【本記事の核】UADスタジオリバーブ4本を全部持っている筆者の住み分け
冒頭で触れたとおり、筆者はUADのOcean Way Studios Deluxe・Capitol Chambers・Hitsville Chambers・Sound City Studiosを所有し、制作で使い分けています。これらを持っている立場から、Sunset Sound Studio Reverb IIの役割を整理します。
軸は一つ。「録り音の質感(トラック単位)」なのか「ミックス全体の空間設計」なのかです。
Ocean Way(再マイキング)vs Sunset II(空間設計)
Ocean Way Studios Deluxeは、Re-Mic機能で録音済みトラックのマイクや距離を後から変える、いわば「1トラック単位の質感補正」に非常に強いプラグインです。
対してSunset II は、音源をスタジオのどの位置に置くかをポジションで決め、センド運用で「ミックス全体の空間」を作る設計。Ocean Wayが”録音トラックの再マイキング担当”なら、Sunset II は”ミックス全体のスタジオ空間担当”。2つ揃うと、録り音の質感とミックスの空気感を完全に分業できます。
実際、筆者の使い分けはこうです。Lo-fiトラックの”あたたかなルーム感”はSunset II、ドラムの部屋鳴りはOcean Way、と役割で分けています。Ocean Wayはドラムに”スタジオの空気”を入れる ― つまり特定トラックの質感を作るのが得意。一方Sunset II は、トラックを前に押し出すより、Lo-fi全体をやわらかく包む温かい空間として敷く。前述のとおりデフォルトでは派手に出ないぶん、この”自然に馴染む温かさ”がLo-fiのベース空間にちょうど合います。派手な部屋鳴りが要るドラムはOcean Way、作品全体の温度感はSunset II ― これが筆者の実際の分業です。
▶ Ocean Way単体のレビュー(ドラムにスタジオの空気を入れた実例)はこちら:UAD Ocean Way Studios Deluxeレビュー
Capitol・Hitsville(チェンバーの色付け)vs Sunset II(部屋そのもの)
Capitol ChambersやHitsville Chambersは、特定エコーチェンバーの残響キャラに特化したプラグイン。ボーカルやリードに「印象的な残響の色」を付けるのが得意です。
Sunset II はチェンバーだけでなくライブルーム/ISO/プレート/スプリングまでを一つのインターフェースで扱えます。Capitol・Hitsvilleが”名物チェンバーの味付け担当”なら、Sunset II は”バンド全体が鳴っている部屋そのもの”担当。チェンバーだけでは作りづらい、ドラム・ベース・鍵盤まで含めた一体感を、ルーム側で補えるのがメリットです。
Sound City(ロックの部屋鳴り)との対比
Sound City Studiosは、スタジオ全体の「ロック的な部屋鳴り」に寄った設計。ジャンルイメージが強く出るタイプです。Sunset II はより汎用的で、アコースティック楽器・ボーカル・シネマティックまで、ナチュラルさとダークさのバランスに寄っています。「はっきりしたロックの部屋」が欲しければSound City、「作品全体を一つのスタジオで録った空気に揃えたい」ならSunset II、という住み分けです。
結論:所有者がSunset II を”2本目”に足す意味
すでにスタジオ系リバーブを持っている人ほど、Sunset II の立ち位置は明確です。既存のチェンバー系を”味付けのリバーブ”、Sunset II を”ミックス全体のベース空間”と位置付けると、作品が「一つのスタジオで録った」ようにまとまりやすくなります。派手なキャラや即効性が欲しいならチェンバー系、自然で主張しないグルー(接着剤)としての空間が欲しいならSunset II ― これが、4本を実際に併用している筆者の結論です。
向いているソース・トラック別の使い方
参考までに、狙いどころの一例です(設定は環境により調整してください)。
- 宅録ボーカル:短めルーム+薄いプレートで、前に出しつつ空気感を付加。
- 打ち込みドラム:ルームで部屋のアンビエンスを足し、スネアだけチェンバーを重ねると”生っぽさ”が出やすい。
- アコギ・ピアノ:初期反射が固くないため、短い残響でも耳に痛くなりにくく、アコースティック系と相性が良い印象。
いずれも、通常のルームリバーブ → Sunset II → バイパス、の順でABすると、「ミックスが崩れずに空間だけ足される」感覚が掴みやすいです。
シネマティック/Lo-fiでの”録音現場感”
シネマティックでは、巨大ホールだけでなく「録音現場としてのスタジオ・ルーム感」もよく使われます。大ホール系リバーブで外側の広さを、Sunset II で”収録部屋の空気”を足す二段構えが有効です。Sunset II が出すのは”シネコンのスクリーン後方”ではなく、”マイクのすぐそばの空気”。その上に別のホール系で広さを足すと、音像は広いのに芯がぼやけません。
Lo-fiでは、メインのルームを短めにして「狭いスタジオ感」を作り、テープシミュやフィルターで高域を削ると、古い録音スタジオっぽい空気になります。前述のとおりデフォルトでは控えめなので、“自然に馴染むベース空間”としてドライ寄りのトラックに薄く敷くのがLo-fiでは扱いやすいと感じました。
▶ リバーブの基礎・Cubaseでの設定はこちら:リバーブのコツ|Cubase実例で学ぶ設定・種類・おすすめプラグイン
こんな人におすすめ / ここは惜しい点
おすすめできる人
- すでにスタジオ系リバーブ(UAD等)を持っていて、“ミックス全体の空間設計”用の2本目が欲しい人
- 宅録のドライな素材に、自然な”スタジオの空気”を足したい人
- 派手さより、嫌味なく馴染むナチュラルな空間を求める人
ここは惜しい点(正直に)
- デフォルト付近では即効性が薄い。「挿した瞬間に激変」を期待すると肩透かしになります。自然志向の裏返しで、派手に鳴らしたいソースには部屋の選択やSize/Decay/センド量の作り込みが要りそうです(筆者はデフォルト付近での確認)。
- 27ポジションや2エンジンなど、使いこなすほど良さが出る=最初の学習コストはあるタイプです。
とはいえ、この”控えめさ”は「主張しすぎず、ミックス全体を録り現場の空気で揃える」という目的にはむしろ長所。用途さえ合えば、他のスタジオ系リバーブとは違う仕事をしてくれます。
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よくある質問(FAQ)
前作(T-RackS版)を持っていれば買い替える価値はありますか?
スタンドアロン化・音源ポジションの拡張・2エンジンなど、空間設計の自由度が上がっています。センドで”部屋の中の位置”まで作り込みたい人ほど、II世代の恩恵は大きいです。
UADのスタジオ系リバーブを持っていても意味はありますか?
あります。UAD系(Ocean Way/Capitol等)が”録り音の質感・チェンバーの色付け”に強いのに対し、Sunset II は”ミックス全体の空間設計”担当。役割が異なるため分業できます。
宅録ボーカルが一気にプロっぽくなりますか?
派手に激変するタイプではありません。自然に馴染む空気感を足す方向なので、”劇的なビフォーアフター”より”ミックス全体のまとまり”を期待するのが正解です。
まとめ
Sunset Sound Studio Reverb II は、伝説的な実在スタジオの部屋・チェンバー・プレートを”空気ごと”再現し、ミックス全体の空間を設計するためのリバーブです。デフォルトでは派手に化けませんが、それは自然で正直な鳴りという素性の裏返し。すでにスタジオ系リバーブを持っている人が、”録り音の質感”と”ミックスの空気感”を分業するための2本目として、最も価値を発揮します。
UADの4本を実際に併用している筆者の実感として、Sunset II は「主張しないベース空間」を担う一本 ― これが率直な評価です。
参考・出典
- IK Multimedia 公式(Sunset Sound Studio Reverb / VRM・収録内容)
- Sunset Sound 公式(スタジオ沿革・エコーチェンバー)
- 製品仕様の一部は取得日時点の公式情報に基づく
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