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Soundtoysレビュー|23本を実制作で試して分かった”効かせ幅”【5.5バンドル】
本記事はアフィリエイト広告を含みます。一部コンテンツの作成にAIを活用しています(詳細:編集方針)。

提供に関する表記
本記事は Soundtoys 社より Soundtoys 5.5(Plugin Boutique 経由)の提供を受けて執筆しています。提供されたライセンスは Not for Resale(NFR)の365日限定ライセンスで、恒久版ではありません(iLok上の有効期限:2027年7月14日/2026年9月6日確認)。
製品の提供は受けていますが、記事内容への指示は受けておらず、評価はすべて筆者の実使用と実測に基づきます。実際に使っていない製品については、その旨を明記しています。
Spotify・Apple Music・Audiostock に楽曲を配信している配信DTMerが、Cubase Pro 15 と所有プラグイン403本(58メーカー)の環境で、Soundtoys 5.5 を実際の制作プロジェクトに通しました。
結論から書きます。Soundtoys の価値は「23本入っていること」ではありません。効かせ方の幅を、自分で決められることです。
そしてもうひとつ。楽曲の完成度が上がるほど、追加処理の実用幅は狭くなります。 今回の検証では、実用と破綻の境界が 1dB しかない場面がありました。
この記事で分かること。
- 順序を入れ替えるだけで、歪みのキャラクターが変わる
プラグインを挿し直して並べ替える作業が、1画面で終わります - どこから破綻するかを、数値で示している
「効きすぎる手前」をゼロから探る時間が要りません - すでに持っている製品と重複していないか、買う前に判別できる
検証はすべてハードロック楽曲の実制作プロジェクト上で行っています。テスト用の素材ではありません。
なお筆者の環境は Cubase Pro 15(Windows 11)です。他のDAWでも操作は共通ですが、設定値を数値で確認する手順は Cubase 固有のものになります。
クリックして読める「目次」
Soundtoysとは|22本なのか23本なのか
Soundtoys は EchoBoy(ディレイ)や Decapitator(サチュレーション)で知られる、アナログ機材由来のエフェクトを作り続けているメーカーです。Soundtoys 5.5 はその全製品を1つにまとめたバンドルです。
ただ、購入前に調べると収録数が22と23で食い違います。 これは片方が間違っているのではなく、数え方が2通りあるためです。
実測で確認しました
| 数える場所 | 数 | 何を数えているか |
|---|---|---|
| iLok License Manager | 22 | ライセンス単位 |
| CubaseのVSTプラグインマネージャー | 23 | DAWに現れるプラグイン単位 |
| Plugin Boutique 商品ページ | 22 | 商品単位 |
| Soundtoys公式サイトの本文 | 23 | プラグイン単位 |
差の1本は FilterFreak です。1ライセンスで、FilterFreak1 と FilterFreak2 の2つがDAWに現れます。
上の2枚を見比べてください。iLok側には FilterFreak が1行しかありませんが、VSTプラグインマネージャーには FilterFreak1 と FilterFreak2 が別エントリで並んでいます。
Effect Rack のツールボックスでも、FilterFreak は2つ表示されます。Soundtoys 純正のUI上でも2本として扱われています。
つまり「ライセンスは22、プラグインは23」。どちらの表記を見ても不安になる必要はありません。
本記事で実際に使ったもの
23本すべてを使ったわけではありません。実制作に通したのは以下の5本です。
| 製品 | 用途 |
|---|---|
| Decapitator | サチュレーション(別記事で単体検証済み) |
| MicroShift | ギターのステレオ化(結果は不採用) |
| EchoBoy | スネアのディレイ |
| Effect Rack | チェーン構築 |
| Sie-Q | Effect Rack内でのEQ |
残る17本については、公式マニュアルの記載として触れる以外、使用感を書きません。 使っていない製品について「使ってみたら良かった」とは書けないためです。
【実測】EchoBoyのセンド量には、1dBの壁がある
スネアにディレイを送る。よくある処理です。
ただ実際の楽曲で試したところ、実用と破綻の境界が 1dB しかありませんでした。 しかもそれは「音量が大きすぎる」という問題ではありませんでした。
構成
Snare(Addictive Drums 2 / Blue Oyster)
└ Send → FX4(EchoBoy) −24.0 dB ポストフェーダー
↓
Master bus
EchoBoy はインサートではなく FXチャンネルに立ててセンドで送っています。 プラグイン側の Mix は 100%(Wet)。原音とのバランスは、センド量とFXチャンネルのフェーダーで決めます。
なお、このスネアには Pro-Q 4、コンプレッサー、SSL Native のプラグインがすでに掛かっています。素のスネアではなく、EQとコンプで処理を終えた状態にディレイを送っている点は、後述する数値の前提条件になります。
EchoBoy の設定
| 項目 | 値 |
|---|---|
| Mix | 100%(Wet) |
| Mode | Single Echo |
| Style | Studio Tape |
| Echo Time | 1/8 dot = 375.0 ms(BPM 120) |
| Feedback / LowCut / HighCut | 初期位置 |
| InputGain / OutputGain | 0.0 dB |
Echo Time は TIME表示とNOTE表示を切り替えられます。 下の2枚は同じ設定を別の表現で見ているだけで、BPM 120 なら「1/8 dot」が「375.0 ms」にあたります。音価で決めたいときと、実時間で他のトラックと揃えたいときで使い分けられます。
センド量の実測
| センド量 | 聴感 |
|---|---|
| −31.7 dB | うっすら。張りとしても弱い |
| −24.0 dB | 実用上限。スネアに張りが出る |
| −23.0 dB | 跳ねが台無しになる |
−24 と −23。差は 1dB です。
なぜ1dBで破綻するのか
音量の問題ではありません。リズムの問題です。
この楽曲のスネアは、クオンタイズを 60% に留め、ベロシティにランダム性を持たせ、ゴーストノートを入れて跳ねを作っています。打ち込みですが、意図的に揃えていません。
そこへ 375ms(付点8分)の返りが乗ります。この返りがゴーストノートの位置に重なります。
−24dB までなら、返りは原音の陰に隠れて「張り」として溶けます。−23dB を超えると、返りがゴーストノートと同じ音量帯に出てきて、意図した跳ねと機械的な反復が混ざる。 輪郭が潰れます。
つまり境界を決めているのは、ディレイの音量ではなく「原音のリズムを聴き分けられなくなる点」です。
だから「反復」ではなく「張り」として働く
−24dB での EchoBoy は、聴いてディレイとは分かりません。スネアに厚みが乗ったように聞こえます。
センドFXというと「余韻を足すもの」と考えがちですが、量を絞ると音色処理として働きます。 どこまで絞るかの目安を示している記事は、調べた範囲では見当たりませんでした。
すでにリバーブを使っていても共存します
このドラムには、すでにルームリバーブが掛かっています。そこにディレイを足して濁らないのか、という懸念があると思います。
役割が違うので共存します。
- リバーブ = 部屋の響き(連続的・空間の定義)
- ディレイ = 反復(離散的・リズムの演出)
ただし条件が3つあります。
① スネアだけに送る
キック・ハイハット・タム・オーバーヘッド・ドラムバスからは送りません。キット全体に送ると一気に濁ります。
② FXチャンネルの出力は Master bus へ
ドラムバスへ返してテープシミュレーターを通す案も試しましたが、不採用にしました。リバーブと並列に置くほうが、後からバランスだけで調整できます。
③ ポストフェーダーで送る
原音のフェーダーを動かしたときに、送り量も追従します。
センド量を決める順番
検証中に分かった実務上のポイントです。
1. まずFXチャンネルをSoloにして、返りだけを聴く
信号が通っているかの切り分けです。ここで音が出なければ配線の問題で、プラグインの設定をいくら触っても解決しません。
2. 単独の状態で決めるのは「性格」まで
Style、Feedback、カットする帯域。ここまでは単独で追い込めます。
3. 「量」は必ず全体で決める
今回はギターをミュートして検証していたため、ギターを戻してから改めてセンド量を決めました。単独で決めた量は、全体では必ず過剰になります。
Cubase側の注意
センドの色でプリ/ポストが判別できます。
- 橙色 = ポストフェーダー
- 水色 = プリフェーダー
ただしサイドチェーン送りも水色で表示されます。 プリフェーダーとは別物なので、水色を見たら送り先を確認してください。
(関連:Cubaseで迷わない!エフェクトを”プリ”か”ポスト”に挿すベストな選び方)
【実測】順序を入れ替えるだけで、歪みのキャラクターが変わる
Effect Rack の本質は「23本を1画面に並べられること」ではありません。並べ替えが一瞬で終わることです。
同じ2本を、順序だけ入れ替えて比較しました。設定値は一切動かしていません。
検証した2パターン
対象はBセクション(25〜32小節)、NI Session Guitarist Electric Sunburst Deluxe のカッティングです。Decapitator が唯一の歪み段になるよう、音源内蔵アンプを無効にしています。
| パターン | チェーン | 結果 |
|---|---|---|
| A:歪み前EQ | Sie-Q → Decapitator | 歪みが多い |
| B:歪み後EQ | Decapitator → Sie-Q | あまり歪まない。太く、張りと艶が出る |
2枚を見比べてください。Sie-Q の MID ノブの角度も、Decapitator の DRIVE 位置も、STYLE の選択(A=Ampex 350)も同一です。 違うのは上下の順序だけです。
なぜ変わるのか
Sie-Q でブーストした帯域が、そのまま歪み回路に突っ込まれるからです。
歪みは入力された信号から倍音を作ります。前段でMIDを持ち上げれば、その帯域を中心に倍音が生成される。 歪みの量ではなく、歪みの「材料」が変わっています。
一方、後段に置いた場合は、すでに歪み終わった音を持ち上げるだけです。倍音の構成そのものは変わりません。だから「太くなるが、歪みは増えない」。
この前後関係は、Decapitator 単体を測ったときにも確認しています。Low Cut と Tone は歪み回路の手前、High Cut は後ろにあり、前段のコントロールを動かすと倍音の並び自体が変わりました。
(詳細:Soundtoys Decapitatorレビュー|サチュレーションの効き方をCubaseで実測した)
今回は、その原理が別プラグインとの組み合わせでも成り立つことを、1画面・順序入替だけで再現できたことになります。
どちらが正解か、ではありません
Aが良くてBが悪い、ではありません。用途が違います。
- 歪みのキャラクターを作りたい → 前EQ(A)
- 歪ませずにSie-Qの色付けだけ欲しい → 後EQ(B)
今回は前EQ(A)を採用しました。カッティングにエッジが必要だったためです。ただしこれは曲の都合であって、Bが劣っているわけではありません。
検証条件
- Decapitator の PUNISH は OFF で統一(ボタンには「ON」と表示されますが、点灯していない状態がOFFです)
- 判定は聴感による比較
- 中央のVUメーター(Attitude Meter)は瞬間値を示すため、静止画での比較には使っていません
なお PUNISH を ON にすると、OFF時の Drive 5.5 と同等の歪みが Drive 3 で得られました。入力を大きく押し込むモードのため、同じ Drive 値でも歪み量が変わります。Attitude Meter は Drive 5 付近で振り切るため、針では ON/OFF の差を読み取れません。
単体プラグインを並べても同じでは?
順序を入れ替えるだけなら、DAWのインサートスロットでもできます。違うのは手数です。
Cubase のインサートで並べ替える場合、スロットをドラッグして入れ替え、設定が飛んでいないか確認する。Effect Rack なら1画面の中で完結します。「順序を試す」という行為のコストが下がるぶん、実際に試す回数が増えます。
これは機能の差ではなく、試行回数の差です。
【実測】Recycleは18.2%でハウリングする
Effect Rack にしかない機能が Recycle です。
チェーン最終段の出力を、もう一度入力へ戻します。フィードバックループです。これは単体プラグインを並べただけでは作れません。 DAWのインサートは一方通行なので、同じことをやろうとすればバスを組んで送り返す必要があります。
裏を返せば、行き過ぎれば発振します。 どこまでが実用範囲なのかを測りました。
実測値
| Recycle | 結果 |
|---|---|
| 0%(MIN) | 通常 |
| 11.2% | 実用 |
| 17.5% | まだ発振しない |
| 18.2% | ハウリング発生 |
破綻の境界は 17.5% と 18.2% の間でした。0〜100% のノブに対して、実用できるのは下から2割弱まで。それを超えると一気に発振側へ振れます。
数値はどう読むか
Soundtoys のノブは、カーソルを乗せてもツールチップが出ません。Cubase の一般エディターに切り替えると、全パラメーターが数値で表示されます。
上のスクリーンショットで「Recycle 18.2 %」と読めているのがそれです。プリセットを人に共有するときや、設定を記事に書くときは、この手順が必須になります。
この数値をそのまま使わないでください
18.2% は、今回のチェーンでの値です。
Recycle はチェーン全体を通った信号を入力へ戻すので、チェーンの中で音量が上がっていれば、より低い値で発振します。
今回の構成は Sie-Q(MID を約 +6dB ブースト)と Decapitator(Drive 約5)の2本。どちらもゲインを持ち上げる方向のプラグインです。これがクリーンなEQ1本だけならもっと上まで回せるはずですし、歪みを3本積めば10%以下で発振する可能性もあります。
読み取ってほしいのは「18.2」という数字ではなく、「実用幅はノブの下から2割程度しかない」という感覚です。 そして、その境界が思ったより鋭いということ。
使いどころ
常時かけるものではありません。ブレイクや間奏など、同じフレーズを別の表情にしたい場面で使う機能です。
【実測】MicroShiftが要らなかった場面
ここは正直に書きます。今回、MicroShift は不採用にしました。
何と比べたか
対象はリフのバッキングギター(Ample Guitar LP 4 / Voltage Amps)。比較したのは2つの方式です。
| 方式 | 内容 |
|---|---|
| A:物理ダブリング | L/R別インスタンスのアンプ+R側にトラックディレイ7ms(既存構成) |
| B:MicroShift | 1本のギターをMicroShiftでステレオ化 |
結果は引き分けではなく、痛み分けでした
モノ互換性:MicroShift の勝ち
方式Aは7msのディレイによってモノ合算時にコムフィルターが発生し、音量が落ちます。MicroShift はモノ合算での劣化が少ない。
ステレオ幅:方式Aの勝ち
MicroShift はこじんまりとまとまります。STYLE を I / II / III と切り替え、DETUNE と DELAY を増やしても改善しませんでした。
結論:この曲では不採用。 すでに機能している物理ダブリングがあるため、MicroShift を足す意味がありませんでした。
ただし1つ、運用上の発見があります
FOCUS を上げすぎると効きません。
FOCUS は、どの帯域から上に効果をかけるかを決めるコントロールです。10kHz まで上げると、すでにローパスで高域を落としたギターにはほとんど何も起きませんでした。
今回の適正は FOCUS 300Hz。ギターのように帯域を整理済みの素材では、思っているより低い位置に置く必要があります。
なお、付属プリセットを起点にする場合も同じです。下は「Holy Shift」を読み込んだ状態ですが、素材に合わせて FOCUS を下げる調整は結局必要でした。
この結果をどう読むか
「MicroShift が悪い」ではありません。 アンプを2本立てて物理的にダブリングできる環境と比べた結果です。
逆に言えば、こういう場合には有効です。
- ソース音源が1本しかない(複製できない)
- CPU負荷を増やしたくない
- モノ互換を優先したい
- ボーカルやリードなど、単一トラックを広げたい
ギターを2本立てられるなら、そちらのほうが幅は出ます。 買う前に、まず今の環境で複製できないかを確認してください。
音の芯が細いなら、Decapitator
サチュレーションで音を太らせたい場合は Decapitator が担当します。この製品については別記事で、Cubase 上でサイン波を通して倍音の生成を測っています。
要点だけ書くと、Decapitator の本質は「濃い歪みがかかること」ではありません。歪ませる場所を入力側で決め、歪んだ結果を出力側で削るという、前後段が分かれた設計にあります。
- Low Cut / Tone / Thump = 歪み回路の手前
- High Cut / Steep = 歪み回路の後ろ
この非対称のおかげで、「低域は歪ませず中高域だけ倍音を足す」「太らせた上で刺さりだけ取る」といった処理が1つのプラグイン内で完結します。
(詳細:Soundtoys Decapitatorレビュー|サチュレーションの効き方をCubaseで実測した)
密度の高いトラックほど、効きしろは狭くなる
3本を通して分かったことがあります。
| 検証 | 実用幅 |
|---|---|
| MicroShift | 入る余地なし(既存構成に勝てず不採用) |
| EchoBoy | 1dB幅(−24で実用、−23で破綻) |
| Effect Rack Recycle | 実用と破綻の差が約7ポイント(11.2実用、18.2でハウリング) |
楽曲の完成度が上がるほど、プラグインの効きしろは減ります。
空のプロジェクトに1本挿せば、どんなプラグインも劇的に聞こえます。しかしトラックが埋まり、EQとコンプで整理が済み、空間も設計された状態では、新しく足せる余地はごくわずかしか残っていません。
これはプラグインの性能の問題ではありません。入る隙間がもう無いという話です。
だから「効かなかった」という結果は、必ずしも製品が悪いことを意味しません。今回の MicroShift がまさにそれで、すでに解決済みの問題に対して、もう一度解決策を持ち込んだから入らなかった。
逆に言えば、買う前に確認すべきは製品の性能ではなく、自分のプロジェクトに隙間が残っているかどうかです。
買う前に確認すること
すでに持っていないか、iLokで確認する
Soundtoys の製品は、過去のセールや配布で単体を入手していることがあります。バンドルを買う前に iLok License Manager で確認してください。
筆者の場合、PhaseMistress V5 を購入した記憶がないまま永続ライセンスで所持していました。バンドルの中にも同じ製品が入っているので、実質的に重複しています。
検索窓に「sound」と入力すれば、Soundtoys 製品が一覧で出ます。
単体とバンドルの分岐点
単体価格とバンドル価格を見比べると、単体を3本買う金額でバンドルに手が届きます。
つまり判断はこうなります。
- 欲しい製品が1〜2本 → 単体で足りる
- 3本以上ある → バンドルのほうが安い
具体的な価格は変動します。下のリンクから現在の価格を確認してください。
30日間の無料トライアルがある
Soundtoys 公式サイトから、30日間のフル機能トライアルを試せます。
この記事で書いた検証は、すべてトライアル期間内に再現できます。 Effect Rack の順序入替も、Recycle の限界値も、実際のプロジェクトで確かめてから判断してください。
「効きしろが残っているか」は、自分のプロジェクトでしか分かりません。
試したうえで購入する場合、Plugin Boutique からも購入できます。
買わなくていい人
「DAWの標準機能でも同じことができる」への回答
Soundtoys を調べると、必ずこの意見に当たります。海外のフォーラムでも定番の指摘です。
機能の話としては、おおむね正しいです。
Cubase の標準FXでも、EQもコンプもディレイもモジュレーションも揃っています。Effect Rack がやっているルーティングも、FXチャンネルとセンドを組めば再現できます。Recycle ですら、バスを組んで送り返せば理屈の上では可能です。
そのうえで、今回の検証から言えることが1つあります。
差が出るのは「できるか」ではなく「何回試したか」です。
順序入替の検証は、Effect Rack の中でドラッグ1回でした。同じことを Cubase のインサートでやると、スロットを入れ替えて設定を確認して、という手順が挟まります。1回なら誤差ですが、10回試すなら差になる。
つまり Soundtoys が短縮しているのは作業時間ではなく、「試してみるか」と思うまでの心理的な距離です。これは機能表には載りません。
逆に言えば、標準FXで十分に試行を回せている人には不要です。 手数が減ることに価値を感じない人が買うと、「同じことができるプラグイン」にしかなりません。
すでにローファイ系マルチFXを持っている場合
RC-20 Retro Color のような、ノイズ・テープ揺れ・軽い歪み・ビットクラッシュを1本でまとめられる製品を持っているなら、Soundtoys の色付け系(Decapitator / Radiator / PrimalTap)と役割が重なります。
「ローファイな質感を作るため」だけに Soundtoys を買う理由は薄いはずです。
一方で重なりにくいのは、時間軸を動かす製品群です。
- EchoBoy … テンポ同期ディレイ、語尾の余韻
- FilterFreak … フィルターの音楽的な変調
- Crystallizer … ピッチシフトを含む変形
- Effect Rack … 上記を1画面で組み替える
(関連:RC-20 Retro Colorレビュー|セール最安値・無料トライアル・使い方を解説)
プロジェクトに隙間が残っていない場合
前章のとおりです。すでに完成しているミックスに足しても、入る場所がありません。新しい曲を作るとき、あるいは編成の薄いトラックで試すほうが効果を実感できます。
まとめ|3つの選択肢
今すぐバンドルを買っていい人
- 欲しい Soundtoys 製品が3本以上ある
- チェーンの順序を頻繁に試したい
- ディレイ・フィルター・空間系まで一通り揃えたい
まずトライアルを試すべき人
- 自分のプロジェクトに隙間が残っているか分からない
- Effect Rack の使い勝手を確かめたい
- 30日あれば、この記事の検証は全部再現できます
単体、または別製品で足りる人
- 欲しいのが1〜2本だけ → 単体購入
- ローファイの質感だけが目的 → RC-20 等のマルチFX
- 標準FXで十分に試行を回せている → 買わない
よくある質問
Soundtoysは何本入っていますか?
ライセンスは22本、DAWに現れるプラグインは23本です。FilterFreak が1ライセンスで FilterFreak1 / FilterFreak2 の2つとして読み込まれるためで、販売店によって22と23の両方の表記が存在します。どちらも間違いではありません。
Soundtoysのプラグイン一覧を教えてください。
Decapitator、EchoBoy、EchoBoy Jr.、Crystallizer、Little AlterBoy、SpaceBlender、SuperPlate、FilterFreak、Devil-Loc、Devil-Loc Deluxe、MicroShift、Little MicroShift、Radiator、Little Radiator、PhaseMistress、PrimalTap、Little PrimalTap、PanMan、Tremolator、Sie-Q、Little Plate、Effect Rack です(iLok上のライセンス単位で22本)。
CubaseでSoundtoysを使うときの注意はありますか?
Soundtoysのノブはカーソルを乗せても数値が表示されません。プラグインウィンドウ上部の「▼」から一般エディターに切り替えると、全パラメーターが数値の一覧で確認できます。設定を記録したり共有したりする場合は、この手順が必須です。
Effect Rackと単体プラグインは何が違いますか?
複数のSoundtoys製品を1画面に積み、順序をドラッグで入れ替えられます。加えて、チェーン最終段の出力を入力へ戻す Recycle があります。これは単体プラグインを並べただけでは作れない機能です。ただし戻す量が多いと発振するため、今回の構成では18.2%でハウリングしました。
Decapitatorとは何ですか?
アナログ機材のサチュレーションを再現するプラグインです。5つのモデル(A/E/N/T/P)を持ち、Low Cut と Tone が歪み回路の手前、High Cut が後ろにあります。この前後の分離により、歪ませる帯域を選んだうえで、歪んだ結果から不要な高域だけを削るという処理が1本で完結します。
無料トライアルはありますか?
Soundtoys公式サイトから30日間のフル機能トライアルを利用できます。機能制限はないため、本記事の検証内容はすべて期間内に再現できます。
本記事の出典と検証環境
公式資料
- Soundtoys 公式サイト 製品ページ ─ 取得日 2026-09-06
- Soundtoys「Decapitator User’s Guide Version 5」─ 取得日 2026-08-08
価格情報
- Soundtoys 5.5 の取り扱いは Plugin Boutique です
- 価格は本文中の商品リンクに表示される現在価格をご確認ください
- セール等により価格は変動します
筆者の実測環境
- Cubase Pro 15 / Windows 11
- サンプルレート 48kHz / 24bit
- モニター:Edifier MR3(MoPAD使用)+ Sony MDR-CD900ST 併用
- 実素材:筆者が制作中のハードロック楽曲プロジェクトのコピー(BPM 120 / E natural minor)
- 検証日:2026-09-06
- 設定値はすべて Cubase の一般エディターから数値で取得
提供表記
- 本記事で使用した Soundtoys 製品は、Soundtoys 社より Plugin Boutique 経由で提供された Soundtoys 5.5(Not for Resale/365日限定ライセンス/有効期限 2027年7月14日)に収録されているものです
- 実際に使用したのは Decapitator / MicroShift / EchoBoy / Effect Rack / Sie-Q の5製品です。それ以外の製品については、公式資料の記載として言及するに留めています
次の記事も、きっとあなたのお役に立ちます。気になる方はこちらからチェック!
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最後まで読んでいただきありがとうございました。






















