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UAD Ocean Way Studios Deluxeレビュー|Bronze Hammerのドラムに「スタジオの空気」を入れた話
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はじめに
「ドラムの音がどうしてもDTMっぽい。」
制作中のハードロックインスト Bronze Hammer のミックス作業中、ずっとそこが引っかかっていた。ドラムの音自体は悪くない。AD2のBlue Oysterを使い、ベロシティも丁寧に揺らした。コンプも試行錯誤した。でも、なぜかスタジオで録ったような「空気の厚み」が出ない。
そこで投入したのが UAD Ocean Way Studios Deluxe だ。
ミックスリファレンスはLed ZeppelinのImmigrant Song(1970)とCommunication Breakdown(1969)。あのドラムの「部屋の鳴り」——John Bonhamのキックとフロアタムがあの空間に溶け込んだあの質感を出したくて、このプラグインに行き着いた。
このレビューは、実際にBronze Hammerのミックスに使った経験をもとに書いている。
UAD Ocean Way Studios Deluxeとは
UADx(Universal Audio)の看板リバーブプラグイン。音楽史上最も有名なスタジオのひとつであるOcean Way Studiosの伝説的な部屋、リバーブチェンバー、マイクのサウンドを、UA独自の Dynamic Room Modeling技術 でプロダクションに加えられる。
Ray Charles、Frank Sinatra、Whitney Houston、Radiohead、Beckなど数多の名盤が生まれたスタジオの空気を、自分のトラックに持ち込めるツールだ。
2025年11月リリースのDeluxe版で追加された要素(UAD公式FAQ・2026年6月取得)
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| 追加要素 | 内容 |
|---|---|
| リバーブチェンバー | Bill Putnam Sr.設計の3室 |
| アナログコンソール | Focusrite・Dalconの2モデル |
| アウトボードギア | Fairchild・LA-2A・1176・dbx 160 |
| Re-mic機能 | UREI 813・Altec A-2モニター経由での再収音 |
UADハードウェア不要(UAD Native plug-in / iLokアカウント無料・UA Connect無料で動作)
筆者の環境での使い方:Bronze Hammer ドラムバス
Bronze HammerはBPM 120のハードロックインスト。Cubase Pro 15・AD2(Blue Oyster ADpak)で制作中。
Shared Room Busの構成
各ドラムパーツ(キック・スネア・ハイハット・タム・オーバーヘッド)を個別コンプ後、専用のリバーブバスにSendし、そのバスにOcean Way Studios Deluxeをインサート。各トラックのSend量でルームの深さをコントロールする構成にしている。
おおまかな設定の方向性
実際の設定
| パラメータ | 設定 | 補足 |
|---|---|---|
| Studio | B | より密閉感のある部屋。ロックドラム向き |
| Source | DRUMS | ソース別プリセットで最適化されている |
| Mode | REVERB | リバーブモードで使用 |
| マイク構成 | CLOSE + ROOM 1 + ROOM 2 の3グループ | CLOSE: 7.3 FT / ROOM 1: 13.9 FT / ROOM 2: 27.7 FT |
| マイク選択(ROOM 1) | KU3A・KM54・MKH20 | 中距離のルーム感 |
| マイク選択(ROOM 2) | C12・U67・KM54・M50・MKH20 | 遠距離の奥行き |
| Mix | 30〜40%程度(10時方向) | やりすぎない。 ドラムバスへのセンドで全体バランスを微調整 |
※Mix値は実機確認済み(10時方向・約30〜40%)。
特に効果を感じた3つのポイント
① ドラムが「浮かなくなった」
DTMでありがちな「スネアが空中に浮いて聴こえる」現象。Ocean Wayを挿した瞬間、スネアが部屋の空間にスッと馴染んだ。同じ空間に存在する感覚。
② キックに「重力」が出た
Ocean Wayのルームを足した瞬間、キックが「地面を踏む音」になった。Immigrant Songのあの質感に少し近づいた感覚がある。低域の物理的な存在感は、IRリバーブでは出しにくい。
③ 全体のまとまりが出た
ドラムバスにかけることで、バラバラだったパーツが「同じ空間にいる」感じになる。これがルームリバーブの本質的な役割だと改めて実感した。
他のUADxリバーブとの棲み分け
UADx Signature Edition V3を所有しているため、リバーブは複数手元にある。実際の使い分けはこうなっている。
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| 用途 | プラグイン |
|---|---|
| 80sプレート(ボーカル・スネア) | UADx Pure Plate |
| 80sホール(Lexicon系の質感) | UADx Lexicon 224 |
| ロックドラムのルーム | Ocean Way Studios Deluxe ← 今回 |
| City Popボーカル空間 | UADx Lexicon 224 |
| モータウン系の空気感 | UADx Hitsville Chambers |
Ocean Way Studios DeluxeはLexicon 224のような「キャラクター系リバーブ」ではなく、「部屋の実在感を足すツール」として使うのが正解だと感じている。
UADxスタジオ系リバーブ 4製品比較
UADxには「実在する名門スタジオの録音空間を再現する」プラグインが複数ある。単なる空間系エフェクトではなく、部屋・マイク・コンソール・アウトボードまで含む「録音チェーン全体の再現」というコンセプトが共通している。
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| プラグイン | コンセプト | 得意なソース | 一言 |
|---|---|---|---|
| Ocean Way Studios Deluxe | Re-Mic(仮想再マイキング)による空間再構築 | ドラム・ストリングス・ブラス | 打ち込み音源に「本物の空気」を吹き込む。部屋の実在感を足すツール |
| Sound City Studios | スタジオ録音チェーン全体の再現 | ドラム・エレキギター・アコギ | 部屋の鳴りだけでなくコンソールまで含めた「ロックな鳴り」を丸ごとデザイン |
| Capitol Chambers | 象徴的な地下エコーチェンバーの精密モデル | リードボーカル・ストリングス | 深くかけても芯がぼやけない。Hi-Fiで艶やかな高級感 |
| Hitsville Reverb Chambers | モータウン屋根裏チェンバーのキャラクター付与 | ボーカル・コーラス・ハンドクラップ | 明るく歯切れの良い独特のキャラクター。薄くかけるだけでレトロな空気感 |
使い分けの核心:
Ocean Way はドライな打ち込み音源を「スタジオ内の最適な位置に仮想配置してマイクで再収音する」発想で使う。ルームリバーブのセンドリターンが基本。
Sound City はインサートで立ち上げ、音源自体を「Sound Cityの録音チェーンを通した音」に染め上げるアプローチが強力。NirvanaやLed Zeppelin的なロックの質感を出したい時に特に効く。
Capitol Chambers は音の「高級感と奥行き」を足すツール。ポップス・バラードのボーカルに薄くかけるだけで格が上がる。
Hitsville はモータウン・R&Bのキャラクターを付与したい時専用。他の3つと用途が完全に分かれているため、競合しない。
4製品すべてUADx Signature Edition V3に含まれているため、バンドルで入手するのが圧倒的にコスパが高い。
注意点
CPU負荷は高め
UAD公式マニュアルによれば、他のUADプラグインよりレイテンシーが大きく、特にRe-Micモード使用時・個別トラックのReverb modeで顕著。トラッキング中はsend/return構成での使用が推奨されている。複数インスタンスを立ち上げる場合はFreezeを活用する。
インストールにUA Connectが必要
購入後はUA Connectアプリ(無料)でライセンスをActivateしてからDAWで使用できる。iLokアカウント(無料)も必要。
Deluxe版一択
チェンバー・コンソール・Re-mic機能はDeluxe版の追加要素。これから購入するならDeluxe一択。
リバーブバスにはローカットを入れると効果あり
Shared Room BusのSend先トラックに、CubaseチャンネルストリップのEQ(バンド1 LO)でハイパスフィルターを設定している。カットオフは300Hz。

Ocean Way Studios Deluxeは極めてリアルな部屋鳴りを再現するため、キックの低域もそのまま反響する。ローカットを入れることで低域の過剰な回り込みを防ぎ、キックのアタック感が締まった。ロック系ドラムでモタつきを感じた場合はリバーブバスへの300Hzローカットを試してほしい。
価格・購入情報(取得日:2026年6月3日)
単体購入
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| 価格 | |
|---|---|
| 定価 | $249 |
| 現在(〜6/30) | $149(40%オフ) |
この水準(40%オフ・$149)のセールは過去にも複数回実施されており、現在もその水準。セールは短期間(数日〜1ヶ月程度)で終了するため、気になっているなら今のうちに確認を。
バンドル購入(UADxを複数使いたい場合)
筆者はUADx Signature Edition V3のクロスグレード版を49,300円で購入した。Ocean Way Studios Deluxeを含む60本以上のプラグインがこの価格で手に入る。UADxプラグインを複数使いたいならバンドルのセールを狙う方が圧倒的にコスパが高い。
※クロスグレード版はUAD製品の既存ユーザー向け。通常版はPlugin Boutiqueで別途確認を。
Universal Audio
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商品レビュー
良い点(メリット)
- ドラムの「浮き」が消え、同じ空間に存在する感覚になる
- キックに物理的な重力と低域の存在感が出る
- UADハードウェア不要でネイティブ動作
気になる点(デメリット)
- CPU負荷が他のUADxプラグインより高め(Freeze推奨)
- 定価$249は高め(セール時$149が狙い目)
- インストールにUA Connect+iLokアカウントが必要
こんな人におすすめ
- ロック・ハードロック系のドラムに「スタジオの空気」を入れたいDTMer
- 打ち込みドラムのDTMっぽさに悩んでいる人
- UADx Signature Edition V3を検討中で、リバーブの質を確認したい人
まとめ

メリット
- ドラムの「浮き」が消え、同じ空間に存在する感覚になる
- キックに物理的な重力と低域の存在感が出る
- UADハードウェア不要でネイティブ動作
デメリット
- CPU負荷が他のUADxプラグインより高め(Freeze推奨)
- 定価$249は高め(セール時$149が狙い目)
- インストールにUA Connect+iLokアカウントが必要
UAD Ocean Way Studios Deluxeは「空気を売るプラグイン」だ。音色を変えるのではなく、音が存在する空間を作る。
Bronze Hammerのドラムで「もう一歩プロっぽくなりたい」という壁に当たっていたが、このプラグインを足した瞬間にその壁が低くなった。ロック系のドラムで同じ悩みを持っているDTMerには、特に効果を実感しやすいと思う。
現在Plugin Boutiqueで40%オフ(〜6/30)のセール中。気になっているなら今が動き時。
よくある質問
UADハードウェア(Apolloなど)がないと使えませんか?
使えます。UAD Ocean Way Studios DeluxeはUAD Native plug-inのため、ハードウェア不要です。iLokアカウント(無料)とUA Connect(無料)があればMac・Windows両対応で動作します。
購入後のインストール手順は?
①Plugin BoutiqueでPurchase → ②UA ConnectでActivate License → ③DAWで使用開始の3ステップです。
オリジナルのOcean Way Studiosを持っています。Deluxeへのアップグレード価格はありますか?
あります。UAD公式によれば、オリジナル版所有者は$49のアップグレード価格が適用されます。UADストアでログイン後に確認できます。
UADx Signature Edition V3に含まれていますか?
含まれています。Signature Edition V3を購入するとOcean Way Studios Deluxeが使えます。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。

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