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Cubase SuperVision徹底活用|ミキシングを数値で支える分析プラグイン
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Cubase付属のSuperVisionとは多機能なメータープラグイン
SuperVisionは、日々のワークフローから推測を排除し、非常に正確な音の視覚的な情報を提供してくれるため、ミックスやマスタリングにおいて非常に包括的なメーターツールとして活用できます
SuperVisionは、オーディオ解析のための多機能なメータープラグインで、様々なモジュールを組み合わせて使用することができます。Cubase 11から搭載されており、Cubase 12のアップデートでさらにモジュールが追加され、全部で24種類のモジュールが利用可能です。
SuperVisionの使い方と表示の見方について、以下に詳しく説明します。
SuperVisionの基本的な使い方
起動とカスタマイズ
◦ SuperVisionは、完全にカスタマイズ可能なマルチメーターオーディオアナライザーです。
◦ 画面の大きさやメーターの位置など、レイアウトを自由にカスタマイズして配置できます。
◦ 最大9つのモジュールスロットを使用して独自のカスタムレイアウトを作成できます。
モジュールの追加と配置

- 新しいモジュールを追加するには、「スプリットホリゾンタル(Split Horizontal)」をクリックすると上下に分割され、「スプリットバーティカル(Split Vertical)」をクリックすると左右に分割されます。

- 新しいモジュールをクリックして選択し、▼から好きなものを選択します。
- モジュール間の線をドラッグすると大きさを変更できます。
モジュールの削除

- モジュールの右上にカーソルを持っていき、「✖」をクリックすると削除されます。
- 補足ですが、その「✖」の下の2つアイコンはモジュールの追加のボタンです。
設定とリセット
- モジュール上部のボタンで様々な設定を行うことができ、これらは各モジュールごとに個別に設定可能です。

- 「リセットモジュールバリュー(Reset Module Values)」で選択中のモジュールのメーターをリセットできます。
- Macでは「Option」キー、Windowsでは「Alt」キーを押しながらクリックすると、全モジュールのメーターを同時にリセットできます。

- 「オープンモジュールセッティングス(Open Module Settings)」で各モジュールの詳細設定が可能です。
「常に前面に表示」機能

- プラグイン画面の右上あたりを右クリックし、「常に前面に表示」にチェックを入れておくと、他のウィンドウに隠れることなく常に表示され、非常に便利です。
Control Roomとの連携

- SuperVisionは、Cubaseのコントロールルーム(CR)のインサートセクションにインサートしておくと便利です。
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サイドチェイン機能

- サイドチェイン入力でトラック比較
SuperVisionを任意のチャンネルに挿入し、別トラックをサイドチェイン入力として選択することで、複数の音源を並行して分析可能。 - スペクトラムカーブの重ね合わせ
ホワイトノイズや440Hzのサイン波など異なる音源をオーバーレイ表示し、周波数特性の違いを一目で確認できる。 - メーターの多様な活用
ラウドネスヒストグラム、VUメーター、スペクトラムなどにサイドチェインを重ねて比較でき、音量やバランスを可視化。 - 位相関係の確認
2つのトラックを比較し、位相のズレや重なり具合を確認できるため、ミックス時の干渉チェックに有効。 - 柔軟なルーティング
メイン出力、ステレオバス、L/R、M/Sなど多様な信号を選んで分析できるため、詳細なモニタリングが可能。
SuperVisionの主要なモジュールと表示の見方
SuperVisionには、レベル、スペクトル、位相、波形解析のための様々なモジュールがあります。
1. シグナルカテゴリー(レベル関連)
レベルメーター (Level Meter)

◦ 音量をリアルタイムで表示するモジュールです。
ピークメーター (Peak Meter)
デジタルクリップを監視するためのメーターで、反応速度が非常に速いです。Cubaseのミックスコンソールのメーターと同じものです。
デジタルクリップとは、音声信号が0 dBFS(デシベル・フルスケール)というデジタルシステムが扱える最大の音量を超えてしまい、それ以上の音量が記録されない、または再生できなくなる現象を指します。 この状態になると、音が歪んで不快なノイズとして聞こえることがあります。ピークメーターは、デジタルクリップを検知するために反応速度が非常に速いことが特徴です。これにより、瞬間的な音量のピークも見逃さず、クリップが発生しそうになったり、実際に発生したりした際に警告として表示されます。
RMSメーター (RMS Meter)
0.3秒程度の長めの感覚で音量を平均化したメーターです。ピークメーターよりも人間の聴覚に近い動きをします。
RMSメーターで見るべき点は、人間の耳が感じる音の「強さ」、つまり聴感上の音量感に近い値であることです。これにより、曲の全体的な音の「強さ」や、レファレンス曲との音量感を比較することができます。
ラウドネスメーター (Loudness Meter)

◦ 楽曲の最終音圧のレベル管理に頻繁に使用される、音量関連のメーターです。
◦ 映画、テレビ、SpotifyやApple Musicなどのストリーミングサービス向けに作業する場合に非常に重要です。
VUメーター (VU)

◦ デジタルレコーディングが普及する前のアナログレコーディングの時代から使われていたメーターで、RMSメーターと似た動きですが、見やすい針表示が特徴です。

◦ 設定でスケールを「VU dBFS」にする必要があります。
レベルヒストグラム (Level Histogram)

◦ これまでどのようなレベルの音量があったかを表示します。
2. スペクトルカテゴリー(周波数関連)
スペクトラムカーブ (Spectrum Curve) / スペクトラムバー (Spectrum Bar)

◦ 最も一般的な周波数アナライザーで、周波数の応答性を確認できます。

◦ マウスをホバーすると、選択した周波数を確認できます。

◦ スペクトラムカーブでは、その瞬間の周波数とピークが見えます。

サイドチェインを使ってギターにドラムキックを重ね合わせしたもの
◦ スペクトラムカーブでは、サイドチェインを使って複数の音源の周波数帯域を比較できます。例えば、ベースとドラムなど、複数の音源が重なっている帯域を強調表示します。楽器が同じ帯域で強く重なると、聞き取りにくくなります。
スペクトラムインテンシティ (Spectrum Intensity)
◦ 周波数をダイナミックに、そして視覚的に表示します。ドラムのトランジェントなども確認できます。
スペクトログラム (Spectrogram)
◦ 高価な修復アプリケーションでのみ利用可能だった高品位メーターで、時間による周波数変化を視覚的に表示します。
クロモグラム (Chromagram)
◦ オーディオのクロモグラムを表示します。
スペクトラムキーボード (Spectrum Keyboard)
◦ 音をドレミなどの音名で確認できます。
◦ 耳コピの助けにもなり、D#などの最も明るい部分で基音が確認できます。
3. フェーズカテゴリー(位相関連)
フェーズスコープ (Phase Scope)

◦ 位相のずれを視覚的に確認できるモジュールで、波形が非常に綺麗に見えます。
◦ 位相同士が合致している時は縦方向に表示され、片方の位相をずらすと斜めに表示されます。
フェーズスコープの図形パターン:4つの形で一発判断
フェーズスコープでは、画面中央でフワフワと動く図形の「形」を見るだけで、ステレオの状態を直感的に把握できます。
難しい数値を読む必要はありません。まずはこの4パターンを覚えましょう。
スクロールできます
| 図形の形 | 状態 | 代表的なサウンド | 対処 |
|---|---|---|---|
| 縦長の一本線 (|) | 完全モノラル(センター定位) | キック、ベースの低域、リードボーカル | 低域はこの状態が正解。問題なし |
| 丸〜縦長の楕円 (○) | 良好なステレオ感 | シンセパッド、リバーブ成分、ストリングス | 理想的な広がり。このまま維持でOK |
| 斜めの直線 (/ や \) | 左右どちらかに偏っている | パンを振り切ったギター、効果音 | 意図的なパンなら問題なし |
| 横長に潰れた線 (ー) | ⚠️ 逆相(危険信号) | ステレオイメージャーのかけすぎ等 | モノラル再生で音が消える可能性あり。すぐに対処が必要 |
ミックスで確認すべき2つのポイント
フェーズスコープを開いたら、以下の2点をチェックする習慣をつけましょう。
①低域がセンターに収まっているか
キックやベースをソロ再生したとき、フェーズスコープが「縦長の線(|)」に近い形になっていれば正常です。
低域が横に広がっている場合(楕円が横に膨らむ)、ミックス全体がぼやける原因になります。
EQで低域をモノラルにまとめるか、Cubase付属の「Imager」やiZotope Ozone 11のImagerモジュールでLow帯域のステレオ幅を絞りましょう。
②空間系エフェクトが広がりすぎていないか
シンセパッドやストリングスなど広がりを持たせたいパートは、0付近まで丸く広がっているのが理想です。
ただし、ステレオイメージャーやワイドなリバーブをかけすぎて「横長の線(ー)」になっていたら、ステレオ幅を少し戻してください。
コリレーションメーターがマイナス圏に大きく振れる場合も同様です(コリレーションの詳しい見方は下のセクションで解説しています)。
パノラマ (Panorama) / マルチパノラマ (Multi Panorama)

◦ 音の広がりを視覚的に確認できます。

◦ マルチパノラマは、周波数帯域ごとのステレオ情報を表示し、低域、中域、高域のステレオ情報を確認できます。
• コリレーション (Correlation) / マルチコリレーション (Multi-Correlation)

◦ ミックスがモノラルでうまく再生されるか、位相の問題があるかを確認できます。

◦ マルチコリレーションは、周波数帯域ごとに位相のずれを確認できます。
- +1に近いほど位相が一致している状態です。
- 0から+1の間で振れているとステレオ感が感じられる状態です。

- 0より左側に振れて赤色になると「逆相状態」であり、不自然な広がり方をしている可能性があります。
※青のバーが、青の範囲はOK,黄色の範囲で少しだけ出るのもOK、赤の範囲は何らかの異常あり。
SuperVision位相確認の手順
SuperVision位相確認の手順
・使い方
Stereo Outに「SuperVision」を挿し、モジュールは
「Correlation」「Multicorrelation」「Phasescope」「Panorama」を追加。
・相関(-1〜+1)
+1=完全同相/モノ、0=広いがモノ互換ギリ、
0未満=打ち消しの危険。平均+0.3以上を目安(瞬間的な上下はOK)。
・併用チェック
Control RoomのMonoで要素が消えないか試聴。
低域で0未満が続く→極性反転、タイミング微調整、ステレオ幅を狭める等で対処。

SuperVisionのプリセット「Music,mixingw/Panorama」の使用をオススメします。
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バランス (Balance)
◦ 音が単純に左右どちらに寄っているかを確認できます。ドラムなどの音源でスネアが少し左に寄っている、といった情報も確認できます。
4. ウェーブフォームカテゴリー(波形関連)
オシロスコープ (Oscilloscope)
◦ 波形を拡大表示するモジュールで、アナログ時代からあるメーターです。
◦ シンセサイザーなどの音の波形を確認するのに適しており、シンセの音作りをする際にも面白い使い方ができます。
◦ ズームと周波数を調整して見やすくします。
ウェーブスコープ (Wave Scope)
◦ 波形をリアルタイムで表示し、プラグインやアナログプロセッサーが音にどのような影響を与えているかを視覚的に確認できます。
◦ コンプレッサーがかかっている状態とそうでない状態の波形変化を視覚的に確認するのに非常に役立ちます。
ウェーブサークル (Wave Circle)
◦ オーディオ信号のリアルタイム波形を円として表示します。具体的な使い道は公式サイトには明記されていませんが、かっこいい見た目が特徴です。
5. その他
タイム (Time)
◦ 時間の表示を行います。
◦ 表示されている時間情報をコピーすることも可能です。
◦ 波形の時間感覚を確認するのに使える可能性があり、例えばアタックタイムがどれくらいかなどを数字で把握するのに役立つかもしれません
FAQ
SuperVisionはどこに挿したらよいのでしょうか?
マスタートラックのインサート
- 最も一般的。全体のラウドネス、スペクトラム、位相などを最終確認。
- ミックス全体のバランスを把握するのに最適。
グループチャンネルのインサート
- ドラムバス、ボーカルバス、ストリングスバスなどに挿して、それぞれのまとまりの音量や周波数を可視化。
- セクションごとの被りやバランスを調整しやすい。
個別トラックのインサート
- 特にEQやコンプレッサー処理が多いトラックに挿して、処理前後の波形やラウドネスを確認。
- 問題のあるトラックを特定するのに便利。
Control Roomに配置
- モニター環境に依存せず、最終的なリスニングチェックに使える。
- リファレンストラックとの比較にも向いている。
ポストフェーダー側に挿す
- レベル調整やエフェクト適用後の最終状態を確認できる。
- 特にクリッピングやリミッター動作のチェックに役立つ。
まとめ
SuperVisionは、Cubase標準の中でも特に実用性の高い分析プラグインです。ラウドネスやスペクトラム、位相といった複数の観点を同時に可視化できるため、耳だけでは気づきにくい問題を的確に洗い出せます。
中級者にとっては「仕上げの客観的な判断材料」として活用でき、特にサイドチェイン比較やリファレンストラック分析は、ミックスの完成度をワンランク上げる大きな武器となるでしょう。感覚に数値を掛け合わせる習慣を持つことで、安定したクオリティを維持しながら自分のサウンドを磨き込むことが可能になります
Cubaseをお持ちでなく興味があるかたはこちらのCubaseオススメ記事をぜひご覧ください。
出典
- Cubase 11: SuperVision Explained
- Supervision post or pre? – Cubase – Steinberg Forums
- Cubase 11: Supervision Audio Visualisation Plugin
- Control Room and SuperVision
- dB とRMSとLUFS、マスタリングでどれを見る?|winns_aibara
- マスタリングでメーターの見方についてcubaseDAWではじめ… – Yahoo!知恵袋
- CUBASE ミックスコンソール RMSメーターとマキシマイザー | 清水の音楽HP
- 音楽のラウドネスを理解しよう:RMSとLUFSの活用|you
- ピーク(Peak)とRMSの違いとは?【DTM・ミックス】 | mizonote
- 【Logic Pro】レベルメーター徹底解説!ピーク/RMS/LUFSの見方と設定|あにPブログ
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