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和風楽曲の作り方!Cubaseの和楽器VSTプラグインで演奏する

今回は、海外向けにYouTube用のLofi(ローファイ)和楽曲を制作しました。日本の伝統的な和楽器を取り入れた心地よいサウンドで、リラックスした雰囲気の楽曲に仕上げています。作曲のプロセスや使用したテクニックについて、詳しくご紹介します。
- Cubaseを使用して和風楽曲を作りたい音楽制作初心者や中級者。
- DTMで和楽器を使った独自の音楽スタイルを試してみたい人。
- 日本の伝統音楽を現代の作曲に取り入れたいと考えるプロやアマチュアの作曲家。
- Cubaseを使った和風楽曲制作の基本技術とヒントが得られる。
- 伝統的な和風スケールや和楽器を使用する方法を学べる。
- MIDIエフェクトやGroove Agent SEを活用した効率的なリズムパターンの作成法がわかる。
音楽の三大要素は、
- リズム (律動)
- メロディ (旋律)
- ハーモニー (和声)
- ハーモニー 音楽において複数の音が同時に鳴ることで生まれる響きやその組み合わせの理論的な側面。
- コード: 楽曲の中で使われる和音の組み合わせのこと。ギターやピアノで弾く「C」「G7」「Am」などの具体的な和音を指します。コードは和音の構造として機能し、音楽の基盤となります。
これらの三要素は、どれも欠かすことのできない基本的な要素です。作曲や演奏において、これらをうまく組み合わせることで、音楽は一層表現豊かで感情的に響くものになります。リズム、メロディ、ハーモニー、それぞれが奏でる魅力を引き出し、最終的に音楽の世界を作り上げることなります。
和風楽曲は、この音楽の三大要素を踏まえてを作成します。
Cubaseで作るLo-fiミュージック』記事をご覧ください。
Lofi楽曲作成の詳細については、『和風のリズム
和太鼓の基本リズム:地打ちと表打ち
和太鼓には、曲のベースとなる「地打ち」と、それに合わせる「表打ち」の2種類のリズムがあります。
- 地打ち(下拍子・裏打ち):曲のテンポを決める役割を持ち、一定のリズムを刻むことで楽曲の安定感を生み出します。
- 表打ち(上拍子):地打ちに合わせてリズムを構築し、変化をつけることで音楽的な躍動感を加えます。
この仕組みをLofiビートに応用すれば、シンプルながらも奥深い「和のグルーヴ」を作ることができます。
和太鼓のリズムをLofi楽曲に取り入れる方法
1. 地打ちをキックやベースラインに置き換える
地打ちは楽曲の基盤を作るため、Lofiビートにおいては「キックドラム」や「ベースライン」の役割を果たします。サンプリングした和太鼓の低音部分をキックに使うと、和の雰囲気を自然に取り入れることができます。
基本パターン(4分音符単位)
変化をつける(8分音符単位)
このようにシンプルなリズムを繰り返すことで、安定感のある土台を作れます。
2. 表打ちをスネアやパーカッションに活用する
表打ちは変化をつけるため、Lofiのスネアやパーカッションとして機能させるのが効果的です。特に、締太鼓や桶太鼓の響きをスネア代わりに配置すると、日本らしい音色が際立ちます。
3. リズムの「間」を意識した配置
和太鼓の演奏では、打音の間(ま)が非常に重要です。Lofi楽曲においても、音の余韻や休符を活かしたビートメイキングを行うことで、ゆったりとした和の空気感を演出できます。Lofiでは「スイング(微妙なリズムの揺れ)」が特徴的なので、ビートを機械的に配置せずに、少し遅れたり早まったりする微妙なズレを作ることで、和のニュアンスが出ます。
人間の演奏感をリアルに表現』記事をご覧ください。
スイングの詳細についてはの『リズムパターン打ち込みを効率化
Cubaseには、和風のリズムパターンを自動生成する専用の機能は搭載されていません。しかし、以下の方法で和風のリズムを作成・アシストすることが可能です。
Groove Agent SEの活用
パターンの選択と編集:Cubase付属のドラム音源「Groove Agent SE」には、多彩なリズムパターンが収録されています。これらのパターンを基に、和風のリズムに近いものを選び、編集することで独自のリズムを作成できます。
パターンのドラッグ&ドロップ:選択したパターンをCubaseのトラックにドラッグ&ドロップし、MIDIエディターで音符の配置やタイミングを調整して和風のニュアンスを加えることができます。
和楽器音源の導入
サードパーティ製和楽器音源プラグイン:和太鼓や尺八などの和楽器音源を提供するプラグインを導入することで、より本格的な和風リズムを作成できます。これらの音源を使用して、独自のリズムパターンを打ち込むことが可能です。
これらの方法を組み合わせることで、Cubase上で和風のリズムを効果的に作成・アシストすることが可能です。特に、和楽器音源の導入はリズムの質感を大きく向上させるため、検討してみてはいかがでしょうか。
Native Instrumentsの「EAST ASIA」プラグインを使用して、和風のリズムを打ち込むことが可能です。このプラグインには、日本、中国、韓国の伝統的な打楽器が収録されており、各楽器にはプリセットのリズムパターンが用意されています。これらのパターンは、DAWにドラッグ&ドロップすることでMIDIデータとして取り込み、編集やカスタマイズが可能です。
具体的な操作方法の詳細は、下記または『DTMのドラムパターン打ち込みがめんどくさい』記事を参照ください。
「EAST ASIA」詳細の操作方法
CubaseなどのDAW上で「EAST ASIA」をインストゥルメントトラックにロードします。
プラグイン内で使用したい打楽器やアンサンブルを選びます。
プリセットされているリズムパターンを試聴し、目的に合ったものを選択します。
選択したパターンで、上記赤枠内の4方向▲マークをDAWのトラックにドラッグ&ドロップしてMIDIデータとして取り込みます。
取り込んだMIDIデータを編集し、リズムやフレーズをカスタマイズします。
このようにして、「EAST ASIA」を活用することで、和風のリズムを効率的に作成・編集することができます。
メロディ
メロディには和風スケール(音階)を適用します。以下の和風スケールを紹介します。
田舎節音階(陽音階)
構成音はC、D、E、G、A
日本の音楽で頻繁に使用される5音階で、明るく親しみやすい響きが特徴です。陰旋法と対照的に、明るい響きを持つ五音音階です。、ペンタトニックスケール(四七(よな)抜き音階)です。代表例『木曽節』
都節音階(陰音階下行形)
構成音はC、D♭、F、G、A♭
日本の伝統的な音階で、琴の調弦法(平調子)として使われることが多いです。日本の伝統的スケールの1つ。俗楽(長唄、三味線、琴曲、童謡、民謡)で使う陰音階(旋法)下行形と同じです。代表例『さくらさくら』
音階(スケール)における上行形と下行形について
スケールにおける上行形と下行形は、音階の進行における上昇と下降を指します。
- 上行形: 音階を低い音から高い音に向かって進む形。例えば、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ドのように、音が順番に上がる進行です。
- 下行形: 音階を高い音から低い音に向かって進む形。例えば、ド・シ・ラ・ソ・ファ・ミ・レ・ドのように、音が順番に下がる進行です。
音楽理論において、上行形と下行形はしばしば異なる音の配置を持つ場合があり、特に短音階(マイナースケール)や自然短音階(ナチュラルマイナースケール)、旋律短音階(メロディックマイナースケール)では、上行と下行で音程が異なることが特徴です
その他の音階
- 琉球音階:沖縄の音楽でよく使われる音階で、独特の明るい響きを持っています。
- 岩戸音階:神楽などの伝統音楽で使われる音階です。
- 律旋法・呂旋法:雅楽などで使われる音階で、日本の古典音楽に深く関わっています。
Cubaseスケールアシスタントの活用
- スケール設定:キーエディター内の「スケールアシスタント」機能を使用し、和風の雰囲気を持つスケールを選択します。例えば、「ペンタトニックスケール」や「陰音階(Insen Scale)」などが該当します。これにより、選択したスケールに基づいてメロディを作成できます。
- 視覚的ガイド:スケールアシスタントを有効にすると、スケールに含まれる音がハイライト表示され、視覚的に確認しながら作曲できます。
スケールアシスタントの使い方』記事をご覧ください。
詳細は、『これらの機能と知識を組み合わせることで、Cubase上で日本の伝統的な音階を用いたメロディ作成が容易になります。さらに、和楽器の音源を使用することで、より本格的な和風サウンドを実現できます。
ハーモニー
ハーモニーはスケールをベースにしたコード進行を適用します。
田舎節音階をベースとしたコード進行
ペンタトニックスケールを基盤としたコード進行です。和風とは限りません。Cメジャーペンタトニックスケールは、C、D、E、G、Aの5音で構成されており、これらの音を含むコードを組み合わせることで、独特の響きを持つ進行を作成できます。
基本的な進行(循環コード)
- コード進行:| C | Am | Dm | G | C |
- 解説:C、Am、Dm、GはすべてCメジャーペンタトニックスケールの音を含んでおり、シンプルで心地よい響きを持つ進行です。特に、AmやDmなどのマイナーコードを組み合わせることで、哀愁のある雰囲気を醸し出せます。
サブドミナントマイナーを活用した進行
- コード進行:| C | Dm | F | G |
- 解説:サブドミナントマイナーのF(ファ)を加えることで、ペンタトニックの枠を超えた豊かな響きを持たせています。
これらのコード進行を基に、メロディやアレンジを工夫することで、Cメジャーペンタトニックスケールの特性を活かした楽曲制作が可能です。
都節音階をベースにしたコード進行
進行例:| Em | F | Am | Bm |
特徴:この音階に基づくコード進行は、特有の情緒を表現できます。
sus4コードを取り入れた進行
進行例:| Csus4 | Fsus4 | Gsus4 | C |
特徴:sus4コードは、和風の響きを強調する効果があります。特に、Gsus4(ソ・ド・レ)は「うれしいひなまつり」などの楽曲で使用され、和の雰囲気を高めます。このコードの特徴的な点は、4度の音程を基にした構成です。この「ニュークリアトーン(核音)」に基づく響きは、まさに日本の音楽で頻繁に使われる特徴的なスケールや音階に通じており、和のメロディーが非常に理解しやすくなるとされています。
日本音楽では、4度離れた音を使用することで、響きが広がり、より深みと広がりを持った音楽表現が可能になります。sus4コードが持つこの特性を活かすことで、伝統的な日本のメロディーに現代的なエッセンスを加えることができ、より魅力的な楽曲に仕上がります。
- 4度のハモリ: 音程が近い(緊張感があり、目立つ)・・・sus4
- 5度のハモリ: 音程が広い(安定感があり、調和的)・・・パワーコード
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おすすめの和楽器インストゥルメントプラグイン
和風の音色を追求するなら、和楽器の音色が欠かせません。和楽器の特有の響きをデジタル音楽制作に取り入れるための、最適なインストゥルメントプラグインを厳選してご紹介します。これらのプラグインは、和風の雰囲気を強調し、楽曲に深みを与えるための素晴らしいツールです。
- 特徴: 収録された和楽器音源は、尺八、三味線、琴など多彩な和楽器を網羅。
East Asia はNative InstrumentsのKompleteにバンドルされています。和楽器の豊富な音源をKontakt Player(無料版) で簡単に利用できる点が魅力的です 。
まとめ
この記事では、Cubaseを使って和風楽曲を作成する方法を解説しました。和風スケールや和太鼓のリズムを取り入れることで、独自の日本らしいサウンドを作り上げることが可能です。次に実際にCubaseでプロジェクトを立ち上げ、自分のオリジナル楽曲を作ってみましょう。
よろしければ引き続きこちらをお読みいただくと、知識が深まります。
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