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Arturia AstroLab の評判を国内・海外からまとめて調査|音質・操作性・デザイン・価格を総チェック
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筆者tetsu7017はArturiaのV Collectionユーザーです。ライブでも同じサウンドを手早く扱える選択肢としてAstroLabの評価を、国内外のレビューとユーザーの声から精査しました。音質・使いやすさ・操作性・価格・デザイン・ライブ性能の6軸で利点と留意点を整理(PerplexityとChatGPT5も活用)。購入判断の材料としてご活用ください。
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Arturia AstroLab とは
AstroLab アストロラボは、フランスのArturia社が2024年に発表した61鍵セミウェイト鍵盤搭載のステージキーボード型シンセサイザーです。同社の人気ソフト音源コレクション「V Collection」や「Analog Lab」のサウンドをハードウェア上でスタンドアロン動作させる夢のようなコンセプトで注目を集めました。国内では税込実売約28万円という高価な製品ながら初回ロットが即完売する人気ぶりで、海外でも価格$1,999に見合う価値があるか議論を呼んでいます。
AstroLabは、ArturiaのV CollectionおよびPigmentsから選ばれた27のインストゥルメントを内蔵し、1,300以上のプリセットを搭載しています。さらに、Analog Lab Proを介して、最大10,000以上の追加プリセットをロードすることが可能です。これにより、V CollectionのインストゥルメントプリセットをAstroLab上で直接利用できます。
ただし、AstroLabはすべてのV Collectionインストゥルメントに対応しているわけではなく、一部の古いバージョンのインストゥルメントや特定のインストゥルメントには対応していません。また、プリセットの互換性や動作に制限がある場合もあります。
AstroLabは、V Collectionのインストゥルメントプリセットを活用し、スタンドアローンでの演奏や制作を可能にする設計となっています。
Arturia AstroLabシンセサイザーの評判は、日本国内も海外も非常に高評価ですが、コントロール性やライブ用途、操作性に関して好みが分かれるポイントもあります。
製品情報
国内価格
- メーカー希望小売価格 349,800円(税込)
- 実売 279,840円(税込)
Specifications
項目 | 内容 |
---|---|
鍵盤 | 61鍵セミウェイテッド(ピアノサイズ、アフタータッチ対応) |
サウンド・エンジン | 全10種:バーチャル・アナログ/サンプル/ウェーブテーブル/FM/グラニュラー/フィジカル・モデリング/ベクター・シンセシス/ハーモニック/フェイズ・ディストーション/ボコーダー |
搭載ソフト・シンセ | ARP 2600 V、Augmented GRAND PIANO、Augmented STRINGS、Augmented VOICES、B-3 V、Buchla Easel V、Clavinet V、CMI V、CS-80 V、CZ V、DX7 V、Emulator II V、Farfisa V、Jun-6 V、Jup-8 V、KORG MS-20 V、Matrix-12 V、Mini V、Modular V、OP-Xa V、Piano V、Pigments、Prophet-5 V、Prophet-VS V、Sampler、SEM V、Solina V、SQ80 V、Stage-73 V、Synclavier V、Synthi V、Vocoder V、Vox Continental V、Wurli V(アルファベット順) |
内蔵サウンド | 1,300種以上 |
インサート・エフェクト | 12種 |
入出力 | MIDI IN/OUT、ステレオ出力、ペダル(サステイン/エクスプレッション/AUX 1&2)、USB‑C、USB‑Aホスト、Bluetoothオーディオ入力、Wi‑Fi(ワイヤレスコントロール) |
外形寸法 | 935(W)×99(H)×330(D)mm |
重量 | 9.9 kg |
国内の評判
- 国内では、AstroLabは「革命的な究極のシンセサイザー」として話題になっており、初期ロットは即完売したほど人気。
- シンセエンジンはバーチャル・アナログ、FM、グラニュラー、物理モデリングなど多彩で、ビンテージサウンドやモダンな音色をライブでも手軽に切り替えられる点が絶賛されています。
- 一方、「コントロールが少ない」「ライブ現場で操作性がやや限定的」と感じる声もあり、使い方や求めるスペックに応じて評価が分かれる傾向。
- Arturia製品愛用者からは、Analog Labとの完全な連携や音色拡張性が高く評価されています。
海外の評判
- 海外レビューでは「ハードとソフトの融合」「パフォーマンス/スタジオ両方に最適」と絶賛されており、特にサウンドライブラリと操作性の高さが強調されています。
- AstroLabは、61鍵のセミウェイトキーやアフタータッチ、直感的なタッチディスプレイなどライブ志向の工夫も好評。
- 「ステージ用途に強いが、オンボードコントロールがやや少ない」「重量がやや重い」「デザインの木目部分がプリントなのが惜しい」といった意見も見られます。
- ソフトウェア(Analog Lab、AstroLab Connect)との親和性、Wi-FiやBluetooth接続といった現代的な機能が、ライブプレイヤーや宅録ユーザー両方から高い評価。
まとめ表(国内&海外評判の比較)
観点 | 日本国内 | 海外 |
---|---|---|
音源・機能 | 多彩なエンジンと即時音色切替 | 膨大なサウンドライブラリ |
操作性 | ライブ操作直感的、 細かいコントロールやや限定 | タッチディスプレイ好評、 一部コントロール不足 |
デザイン | スタイリッシュ、 かつ堅牢性も評価 | 木目プリントにやや賛否、 全体的に高評価 |
ソフト連携 | Analog Labとの連携重視 | Wi-Fi/Bluetooth連携評価 |
欠点 | コントロール不足・価格が高め | コントロールパネル最小、重量 |
AstroLabは、ライブ用途でもスタジオ制作でも高い満足度を誇るものの、シンセマニアからは物理ノブの少なさや操作性について意見があり、用途に応じた選択が重要といえるでしょう。
音質(サウンドクオリティ)
「Analog Labそのものの音が出る」安心感があり、往年の名機から最新サウンドまで網羅した音色のクオリティとバリエーションが国内外で高評価を得ています。「音質に関しては概ねワールドクラス」との評価が支配的で、弱点はわずかに指摘される程度です。
ポジティブな意見
多彩で高品質なサウンド: AstroLab最大の魅力として指摘されるのが音質と音色の豊富さです。1300を超えるプリセット音色を内蔵し、Prophet-5やDX7、Jupiter-8、Minimoogなど往年のビンテージシンセサイザーに次々と“変身”できる柔軟性が「過去にないモンスターシンセ」として称賛されています。国内レビューでも「かなり魅力的なサウンドであり、パワフルなシンセサイザ」との評価があり、Arturia社が培ってきたビンテージシンセのエミュレーション技術により多彩な音色を高音質で鳴らせる点が高く評価されています。実際、内蔵されている音源はアナログシンセからFM、サンプルピアノやオルガン、さらには同社ソフトシンセPigments由来の最新音色まで多岐にわたり、**「業界標準とも言えるヴィンテージ鍵盤エミュレーションが最高の形で詰まっている」と海外レビューでも絶賛されています。Gearspaceのユーザーレビュー では「シンセ系の音は素晴らしく、フィルターの挙動も本物さながら。パッド音色は圧巻で、オルガンやエレピも極めて良好」と具体的に音質を称える声もあり、Nordのステージピアノ等にも引けを取らない説得力があると評判です。
ネガティブな意見
音質面の弱点はごくわずかですが、一部指摘もあります。例えばアコースティック・ピアノ系の音色について、海外レビューでは「改善はしているもののリアルピアノと比べるといささか薄っぺらい」との意見が見られました。ただしこのレビュアーも「ライブで使って文句を言われることはまずないだろう」と述べており、実用上大きな問題ではないようです。また、収録音色は膨大なものの最新のVコレクション収録音源(例:V Collection X以降の新音源)は初期状態では含まれていない点に言及する声もあります。もっとも、これらは後述のようにソフト連携で追加可能であるため、大きなマイナスにはなっていません。
使いやすさ(ワークフロー・手軽さ)
「迷うほど音色が充実している」こと以外に大きな不満は報告されておらず、使い勝手の良さに関しては国内外とも概ね好評と言えます。
ポジティブな意見
直感的でスピーディな操作: AstroLabは「シンプルさと使いやすさを最優先」に設計されており、その直感的なワークフローが高く評価されています。ハードウェア化されたAnalog Labとも言える本機は、電源投入後すぐに膨大な音色ライブラリへアクセスでき、煩雑なメニュー操作なしに音色選びや切替えが可能です。中央に配置されたタッチ対応ディスプレイ一体型の大型エンコーダー(ナビゲーション・ホイール)を回して押し込むだけで音色ブラウズや各種設定が行えるため、「ほぼマニュアル不要で自由自在に使いこなせる」との声もあります。実際、日本のDTMユーザーからも「ホイール中央の画面に音色名とイメージが表示されるので非常に分かりやすい。メニュー操作もホイールで直感的に行え、とても使いやすい」といった評価が出ています。また本体パネル上にはピアノ、オルガン、シンセベース、ストリングス等の専用ボタンで音色カテゴリを瞬時に絞り込める機能があり、何百ものプリセットから目的の音を探す負担を軽減しています。海外レビューでも「クイックかつユーザーフレンドリーな操作性」が特に称賛されており、複数のレビュアーがAstroLabの使い勝手を“最大のセールスポイント”と位置付けています。
ネガティブな意見
否定的な意見や注意点: 使いやすさに関するネガティブな意見は少ないものの、「プリセットが多すぎて迷う」という指摘はあります。1,000以上の音色ライブラリを搭載しているため、目的のサウンドを探す際に戸惑う可能性がありますが、その点Arturiaも理解しており、前述のカテゴリ絞り込みボタンや検索機能、さらには後述するセットリスト機能(Playlist/Song機能)で対応しています。実際、膨大な選択肢を持つこと自体がAstroLabの魅力であり、これは必要な音をすべて網羅したいライブ奏者にとってむしろ利点と捉えられています。
操作性(インターフェースとコントロール)
必要最小限のつまみとボタンに絞り込むことでライブ演奏に集中しやすい操作体系を実現している点が評価されています。その反面「エディット面では割り切りがある」という評価で一致しており、割り切りの是非が評価者のスタンスによって意見の分かれるポイントと言えます。
ポジティブな意見
シンプルだが洗練されたコントロール: 操作子の配置やインターフェース設計について、AstroLabは「洗練され直感的」との評価が多く見られます。中央の大型エンコーダー兼ディスプレイを軸に、右手側に8基のエンコーダーノブ(音色マクロ用4つ+エフェクト用4つ)、その下に音色カテゴリ選択ボタンやパートレイヤー/スプリットボタン、エフェクト編集ボタンなどが整然と配置されています。Gearspaceの詳細レビューによれば「コントロール類は論理的に配置され、演奏中でも迷わず操作できる。ノブはアルミ製連続エンコーダーで適度な抵抗があり、周囲のLEDでパラメータの状態が視覚的に分かるなど、直感的かつ洗練されたUIだ」と高評価です。国内の記事でも「操作性も抜群」と見出しが付けられており、実機に触れたユーザーから「演奏しながら音色を変えたり重ねたりする操作が簡単」と評価されています。特に音色のレイヤー・分割は「スプリットボタンを押しながら鍵盤上でポイントを押すだけ」という容易さで、分割時には鍵盤上のLEDが左右で色分け点灯するため視認性も良好です。
ネガティブな意見
ハードの制約と不満点: 一方で操作性に関する否定的意見としては、「ハード上で弄れるパラメータが限定的」という指摘が国内外から上がっています。AstroLab本体で音作りをする場合、各音色に割り当てられた4つのマクロノブとエフェクト程度しか直接編集できず、例えば「MS-20の全パラメータをAstroLab単体でいじることはできない」のが実情です。これはすなわち、本機が「あくまでプリセットプレイヤー(Analog Lab)に徹している」ことの裏返しであり、シンセマニアからは「深い音作りをしたいハードコアユーザーには物足りない」という声もあります。実際海外のユーザーからは「せっかく$1600も出すなら、ソフトの音色を読み込んで微調整できるフル機能が欲しかった」という意見や「この価格帯でポリフォニック・アフタータッチがないのは残念」といった不満が出ています。物理コントロールに関しても「ノブが8つ(マクロ4+エフェクト4)しかなく少なすぎる。最低でもKeyLab並のコントローラは欲しかった」という辛口なコメントもありました。また、ピッチベンド/モジュレーションホイールの位置が鍵盤左上にある独特の配置については「好き嫌いが分かれる(従来の左側配置を好む人もいる)」との指摘があります。もっとも、これらの点についてはAstroLab購入者にはソフト音源Analog Lab(Pro版)が付属しており、PC側で詳細編集やユーザー音色作成が可能であるため大きな問題にはならないという声もあります。
価格
まとめると、価格については「高価だが内容を考えれば納得」「高すぎるので万人向けではない」と評価が二分されていますが、製品コンセプトに魅力を感じる層には概ね受け入れられている印象です。
ポジティブな意見
価格に対する評価(コストパフォーマンス): AstroLabの価格設定は日本では約28~30万円、海外では$1,999と高額ですが、そのコストパフォーマンスには肯定的な評価も多く見られます。Wired誌のレビューでは「$1,999は決して安くないが、NordやYamahaの他社製ハイエンド・ステージ鍵盤と比べればかなりお買い得だ」と評されており、特に「往年の名機のサウンドがこれ一本で手に入ることを考えれば値段以上の価値がある」との声もあります。実際、AstroLabは同梱ソフトのAnalog Lab経由でArturiaの多数のソフト音源を利用可能であり、個別にビンテージシンセを揃えるコストや他社のステージピアノ(Nord Stageなどが数十万円台後半~)と比較すれば割安感があると見るユーザーも少なくありません。国内においても初回入荷が即完売した背景には「値段は張るが内容を考えれば妥当」と受け止めた熱心なユーザーの存在がうかがえます。Amazon日本のカスタマーレビューでも5点満点中5.0(4件中)と最高評価が付いており、実際に購入したDTMユーザーからの満足度も高いことが伺えます。
ネガティブな意見
高価格への懸念・否定的意見: 一方で、この強気の価格設定に対する否定的な意見も少なからず存在します。海外のシンセ愛好家の中には「この価格なら本来ArturiaのV Collection全部(ソフトシンセ群)を付属させるべきだ」との指摘もあり、約2000ドルという価格に見合う付加価値について議論が交わされています。また「61鍵のみ(発売当初)でこの価格は高い」という声や「本格的な鍵盤奏者なら73鍵や88鍵が欲しくなるだろう」との指摘もありました。ただしAstroLabには後に88鍵モデルも追加され(価格は上昇)、そちらを選べるようになっています。国内でも「さすがに30万円は簡単には手が出ない」「ソフト音源+MIDI鍵盤の方が安上がりでは?」といった現実的な反応も一部にはあります。しかし、そうした意見も裏を返せば「ソフト+PCで代替できるなら不要」と考える層であり、最初からハード単体での安定性や統合性に価値を見出すターゲット層にとっては価格相応のメリットがあるという評価が優勢です。
デザイン・ビルドクオリティ
AstroLabのデザイン・筐体品質は国内外で「高級感があり長く使える」と好評であり、細部にわたる作り込みが評価されています。
ポジティブな意見
外観・筐体の評価(高級感と実用性): AstroLabのデザインはホワイトの筐体に木目調サイドパネルという洗練されたルックスで、多くのユーザーから「美しく所有欲をそそる」と好評です。「2001年宇宙の旅のモノリスを彷彿とさせる近未来的でクリーンなデザイン」と表現する声もあり、Arturia創立25周年記念モデルにふさわしい存在感を放っています。ビルドクオリティ面でも評価は高く、「筐体は頑丈でステージ使用にも耐える」「各部に愛情とビジョンが感じられる作りで、単にコストに合わせて組まれた機材ではない」と海外レビューで絶賛されています。鍵盤についてはセミウェイテッドながら適度な重さと反発があり、ベロシティやアフタータッチにしっかり対応するため演奏表現も良好です。Arturia製キーボードの中でも「特に弾きやすい鍵盤」との声があり、ピアニストでなくとも演奏を楽しめる仕様となっています。さらに、ピッチベンド/モジュレーションホイールや各種ノブ類はアルミ製で質感が高く、Gizmodo日本版も「ツマミが金属製なのが特に嬉しい。ゴム製だと経年劣化するが金属ならその心配もない。長年の相棒になってくれそうだ」と評価しています。また本体左右の木製サイドパネル風パーツについてもデザイン上のアクセントとなっており、高級感とレトロさを両立するディテールとして好意的に受け止められています。
ネガティブな意見
デザイン面のマイナス点: デザインに関するマイナス点は小さいものの存在します。例えば上述のサイドパネルの木目は実は印刷による擬似的な木目柄であり、海外レビューでは「近くで見るとプリントであることが分かり少し残念だ」と指摘されました。とはいえ「見た目が良いことに変わりはなく全体としてスマートで魅力的」とフォローされており、致命的な欠点ではありません。サイズに関しては61鍵モデルの場合コンパクトかつ約10kgと比較的軽量なため持ち運びも可能ですが、演奏者によっては「やはり88鍵が欲しい」という声もありました(※88鍵モデルは後に発売)。また、ホイール類の配置(左上配置)について「慣れない」という意見も一部にありますが、これも好みの問題であり大勢に影響する指摘ではありません。
ライブ性能(ステージでの使い勝手)
ライブ性能についてのネガティブ意見は限定的であり、ターゲットであるライブ奏者からは非常に高い評価を受け、その他の用途への適合性に関してのみ賛否がある状況です。
ポジティブな意見
ステージキーボードとしての長所: ライブ演奏における性能・利便性はAstroLab最大の強みで、各方面から高評価を受けています。Arturia自身が「アバンギャルドなステージキーボード」と銘打つ通り、本機は「まず何よりも演奏者(パフォーマー)を第一に想定した楽器」であり、その狙い通り演奏現場で頼りになる機能が満載です。例えば、セットリスト管理機能(Playlist/Songs)では予め曲ごとに使用する音色を「Song」としてグループ化し並び替えておくことで、ライブ中にボタン一つで次の曲の音色セットに切り替えられます。これにより「バンドのセットに合わせてヴァースではSQ-80パッド、サビでMS-20リード…といった切替えを即座に行える」ため、キーボーディストの負担を大きく減らしてくれます。また、音色のレイヤー(重ね合わせ)やスプリット(鍵盤エリア分割)も簡単で、前述の通りボタン操作ですぐ設定できる上、鍵盤上のLED表示で視覚的にゾーンを把握できるためミスタッチも防ぎやすいと好評です。さらに演奏面の細かな配慮として、「複数のペダル端子(サステイン、エクスプレッション×2ほか)があり、電源コネクタがねじ止め式で抜け落ち防止になっている」ことや、「Bluetoothやアナログ音声入力を搭載し、外部からオーディオを流し込んでAstroLab内蔵エフェクトをかけたり、マイクを接続してVocoderエンジンを使える」ことなどが挙げられます。筐体の頑丈さも相まって「ライブで酷使しても信頼できる」という安心感があり、ソフトシンセをパソコンで鳴らす場合に懸念されるレイテンシー(遅延)やクラッシュの心配がない点も現場志向のユーザーには大きな魅力です。実際、国内のDTM系サイトでも「ソフトシンセをそのままハード化して持ち出せる夢のシンセ。レイテンシーやトラブルの不安を解消してくれる」と評価されており、ギグ向けキーボードとして非常に完成度が高いとの声が多く聞かれます。
ネガティブな意見
ライブ性能に関しては概ね好評なAstroLabですが、いくつかの否定的・懸念の声もあります。まず、内蔵のMIDIルーパー機能については「簡易的なおまけ程度」との指摘があります。AstroLabは最大32小節のフレーズを録音・再生できるMIDIルーパーを備えていますが、「機能が限定的でやや物足りない」と評価され、本格的なループパフォーマンスには向かないようです(シーケンサー的な多層録音機能などはありません)。しかしこの点は、シンセサイザーというよりステージピアノ的な位置付けの製品であることを考えると大きなマイナスではないでしょう。もう一つ、「AstroLabはライブに特化しすぎており、純粋なスタジオ用シンセとしては魅力に欠ける」という意見も一部にあります。MusicRadarのレビューでも「本機はギグ向けミュージシャンには多くをもたらすが、純粋なスタジオ楽器として提供するものは(ソフトと比べて)少ない」と認めています。つまり、自宅やスタジオでじっくり音作りする用途では、ソフトシンセ+MIDI鍵盤の方が柔軟で安価であるため、そうしたニーズには直結しないという指摘です。この点は最初からメーカーも割り切っている部分であり、「AstroLabはあくまでライブや即戦力重視のキーボーディスト向け」という製品コンセプトの表れと言えます。実際、海外のシンセコミュニティでも「面白い製品だが自分(=シンセ制作者/コレクター)向きではない。必要とする人には役立つだろう」という反応が多く、ハードコアなシンセマニアよりも現場主義のプレイヤー層に刺さる製品だと見られています。
筆者tetsu7017の感想 良い点と残念な点
大阪・なんばの楽器店で実機をじっくり試奏。
良かった点
- キータッチは軽すぎず、セミウェイトらしい抵抗。KAWAI 電子ピアノCA15に慣れKORG M1&M-AUDIO Keystation使いの私でも違和感小。
- 中央のタッチ対応ディスプレイ一体型ダイヤルで、音色検索~セットリスト呼び出しが直感的で速い。
- アーティスト・トリビュート系プリセットが楽しい。
- エンジンは10種。一般的なステージ鍵盤は3程度なので守備範囲が広い。
- 約9.9kgで小規模現場へ持ち出し可。電車はキャリー推奨。
持ち運びの目安(一般論)
- 徒歩・電車で手持ち:~6kg(37~49鍵)
- 電車+ソフトケース/キャリー:~9kg(61鍵クラス)
- 車移動メイン:~12kg(61~76鍵)
- 88鍵ハンマー:11~20kg=据え置き中心(持ち出しは車+台車前提)
- ケース重量も上乗せ:ソフト+1~2kg/ハード+4~8kg
AstroLabの約9.9kgは、車移動なら余裕。電車ならキャリー必須、階段が多い日は負担大――このあたりが現実的なラインです。
例:Nordの重量(61〜73鍵の目安)
- Electro 6D:61=8.1kg/73=9.2kg/6HP 73=11.4kg。
- Stage 4:Compact=10.4kg/73=16.7kg/88=19.6kg
- AstroLab約9.9kgは、Electro 6D 73(9.2kg)とStage 4 Compact(10.4kg)の中間。電車移動はキャリー前提で可搬、車移動なら余裕です。
残念な点
- 実売約28万円は安くないが、内容を考えると妥当。
- 物理ノブは最小限で、深いエディットはPC連携前提。
AstroLabがオススメな人とそうでない人
AstroLabがオススメな人 | AstroLabがオススメでない人 |
---|---|
ライブ中心で、セットリスト即切替・PCレス運用を求める人。 V Collection/Analog Labの音色資産をそのまま活かしたい人。 1台で多音源・豊富なプリセットを使い、即戦力の音を素早く呼び出したい人。 | つまみ多用のリアルタイム操作や高度なルーパー演奏を重視する人。 自宅/スタジオで腰を据えて細かな音作りをしたい人(ソフト+USBキーボードの方が柔軟)。 重量や価格を最優先で抑えたい人。 |
出典
- musicradar.com:Arturia AstroLab review
- gearspace.com
- Wired:Review:arturia-astrolab
- FILTER:【製品レビュー】ARTURIA AstroLab
- dtm station:Arturiaが開発した夢のシンセサイザ、AstroLabはDTMとステージキーボードが交錯する究極の世界を実現
- reddit:Arturia AstroLab Thoughts?
- gearspace.com:Reviews>Arturia AstroLab
- GIZMODO:次世代のシンセかも。超本気キーボード「AstroLab」デビュー
- amazon:Arturia AstroLab 61キー
- ARTURIA AstroLab | 違いと比較 Picuna
- ArturiaのAstrolabシリーズに待望の88鍵盤モデルが登場! – Rock oN Line eStore
- Arturia AstroLab 88 review | MusicRadar
- 【新時代のキーボード】Arturia AstroLab 61 日本最速レビュー!?
- ArturiaのNEWシンセサイザー『AstroLab』徹底解説オタレコTV OTAIRECORD
- Arturia AstroLab review • magazin Mehatronika
- Review: Arturia AstroLab, the stage keyboard with Arturia instruments – CDM Create Digital Music
- 氏家克典のコレがオススメ!Vol.04 “Arturia ASTRO LAB
- Arturia AstroLab:SOUND ON SOUND
- Review: Arturia AstroLab — AudioTechnology
まとめ
Arturia AstroLabは、「ソフト音源の膨大なサウンドを1台に凝縮し、ステージで即戦力として使えるようにした画期的なシンセサイザー」として国内外で評価されています。音質の面ではヴィンテージから最新まで網羅した豊富な音色とそのクオリティが賞賛され、使いやすさ・操作性の面でも演奏に専念できる直感的なUI設計が高い評価を得ました。【価格】は高価ではあるものの内容を考えれば妥当との声が多く、【デザイン】やビルドクオリティもプロユースに耐える高級感・堅牢さが支持されています。特にライブ性能に関しては、従来ノートPCやモジュール音源で対応していたセットリスト管理や多音色切替を一台で実現できる点で、「真のステージ用シンセサイザー」の誕生と歓迎する意見が目立ちます。
もっとも、AstroLabは万能というより「割り切ったコンセプトの製品」であるため、深いシンセエディットを求めるユーザーやスタジオ専用機材を探している層からは「自分向きではない」との声もあります。また、価格帯ゆえに人を選ぶ面も否めません。しかし総合的には、「自宅のDAW環境で作り込んだ音をそのままステージに持ち出せる」「ソフト音源とハード鍵盤の融合を高い完成度で実現した」点が国内外のレビュワーから高く評価されており、プロのキーボーディストや熱心なDTMユーザーにとって魅力的な逸品であるという評判が大勢を占めています。AstroLabの登場は、ハードとソフトの融合による新時代のステージキーボード像を提示したと言え、今後のアップデートや後継機種にも期待が寄せられています。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。