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Apple Watch Series 12と11の違い|型落ち11を安く買う方法【2026】
本記事はアフィリエイト広告を含みます。一部コンテンツの作成にAIを活用しています(詳細:編集方針)。

本記事はSeries 12の実機レビューではありません。筆者はApple Watch Series 11(GPS・42mm・ジェットブラック)を2026年3月から使用しており、その実使用を基に、2026年9月10日に発表されたSeries 12を評価しています。「実機を持たないまとめ」ではなく「Series 11の実ユーザーによる、Series 12の評価」です。仕様・価格はすべてApple公式サイトで確認しています。
クリックして読める「目次」
結論:Series 12を買うべき人/型落ちSeries 11で十分な人
Series 12が発売されました。2026年9月18日(金)発売、アルミニウムモデルが71,800円からです。
そして同時に、もうひとつの動きが起きました。Series 11がApple公式ストアの新品ラインナップから外れました。発表当日はApple整備済製品(公式リファービッシュ)に5万円台から並んだのですが、9日後の9月19日に同じページを見たときには1台も残っていませんでした。この経緯は後半に実測で書きます。
先に結論を書きます。発表当日の9月10日なら、整備済のSeries 11が最も条件の良い買い方でした。56,800円で買えたからです。
ところがその整備済は9日で完売しました。9月19日に流通在庫を確認したところ、Series 11に価格の優位はありませんでした。
同額なら、1世代前を選ぶ理由はありません。今から買うならSeries 12です。整備済の再入荷を待てる人にだけ、Series 11へ1万5,000円ぶんの価値が残ります。
| あなたの状況 | 判断(2026年9月19日 実測) |
|---|---|
| Series 8以前を使っている | Series 12へ。買い替えは確定でよく、11と同額なら新しいほうを選ぶ |
| Series 9を使っている | 急がなくていい。心拍センサーの精度に価値を感じるなら12、そうでなければ据え置き |
| Series 10を使っている | 据え置きでOK。10→12は世代差があるが、S10チップで不足を感じていないなら見送り |
| Series 11を使っている | 買い替え不要。詳しくは後述 |
| SE(第1・2世代)を使っている | Series 12へ。常時表示・心電図・高血圧通知が一気に手に入る |
| SE 3を使っている | 見送りでOK。SE 3は今回更新されず継続販売 |
| Apple Watchを初めて買う | Series 12。ただしApple整備済のSeries 11が再入荷するまで待てるなら、そちらが1万5,000円安い |
Series 12で実際に変わったこと(Apple公式発表・2026年9月10日)
まず事実を整理します。すべてApple公式サイトの記載です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発売日 | 2026年9月18日(金) |
| 価格 | アルミニウム 71,800円〜/チタニウム 125,800円〜/セラミック 159,800円〜 |
| ケースサイズ | 42mm・46mm |
| チップ | S11(64ビットデュアルコア・4コアNeural Engine・容量64GB) |
| 心拍センサー | 新しい光学式+第3世代の電気式。心拍数を5秒ごとに測定 |
| HRV(心拍変動) | 測定頻度が最大24倍に |
| 新機能 | 準備度スコア/オーディオインテリジェンス/Siri AI |
| 前面ガラス | Ceramic Shield 2(アルミ)/サファイア(チタン・セラミック) |
| 仕上げ | 8種類(アルミ4色・チタン2色・セラミック2色) |
| watchOS | watchOS 27(2026年9月15日提供) |
目玉はヘルスセンシングシステムの刷新です。心拍数の測定間隔が5秒ごとになり、HRVの測定頻度が最大24倍。この土台の上に「準備度スコア」が乗ります。0〜10のスコアで、「休養」「無理せずに」「準備完了」「絶好調」という言葉に翻訳して出してくれるものです。
セラミックケースの復活も見どころです。アルミ・チタンに加えて、パールホワイトとナイトブルーの2色が用意されました。
見落とされがちですが、日本ですぐに使えない機能があります
Series 12の紹介記事の多くが「Health Age(健康年齢)」「Longevityタブ」「Healthアプリ内で血液検査を予約できる」といった機能を新機能として挙げています。ここは注意が必要です。
これらはSeries 12本体の機能ではなく、刷新されるHealthアプリ側の機能です。そしてApple公式の発表文には、次の但し書きがついています。
- 刷新版Healthアプリ:今年後半に提供開始、まず米国英語から
- 血液検査(約119ドル・50項目):米国内の Quest Diagnostics 約2,000拠点が対象
- Live Rewind・Siri Recap:2026年後半にベータ提供
- オーディオインテリジェンス:年内提供予定。EUでは当初提供されない
つまり9月18日にSeries 12を買っても、日本のユーザーが発売日から使えるのは「新しい心拍センサー」「準備度スコア」「HRVの高頻度測定」あたりまでです。健康年齢も血液検査連携も、日本での提供時期はAppleから示されていません。
後述しますが、筆者は発表前から「Series 12の新健康機能は日本ですぐには使えないだろう」と書いていました。この予想は当たりました。ただし理由は薬機法ではなく、言語と地域の展開順序でした。その話は答え合わせのセクションで書きます。
Series 11を約半年使った上で、Series 12は必要か(実使用レビュー)
筆者はSeries 11(GPS・42mm・ジェットブラック)を2026年3月に購入し、約半年使っています。Apple Watchはこれが初めてで、乗り換えではありません。
発表内容を全部見た上での結論から書くと、筆者は12に買い替えません。理由は、12で改善された項目が、筆者にとって困っていた項目ではないからです。
順番に見ていきます。
バッテリー:すでに困っていない
Series 11は公称24時間ですが、実際の体感はもっと余裕があります。朝7時に装着して翌朝5時(22時間後)で20〜30%残っている。加えて急速充電が効くので、お風呂に入っている30〜45分で満タン近くまで戻ります。
購入前に一番心配していた「毎日充電が面倒」は、実際にはまったく気になりませんでした。充電のための時間を別途確保する必要がないからです。
すでに充電を意識しない運用が回っている以上、ここが伸びても筆者の生活は変わりません。「18時間で困っていた人」には大きな価値ですが、それはSeries 8以前のユーザーの話です。
チップ:ついにS11。ただし名前は1世代ずれたまま
Series 11のチップは、実はSeries 10と同じS10です。購入前は「S11搭載」だと思っていたので、これは正直に言えば拍子抜けした点でした。
そして今回、Series 12に載ったチップの名前は「S11」です。Series 11がS10、Series 12がS11。数字が1つずれた状態がそのまま続いています。買うときにモデル名とチップ名を混同しないよう、ここは覚えておくと混乱しません。
中身は64ビットデュアルコアプロセッサ+4コアNeural Engine、容量64GB。Appleは「同社で最もパワフルなウェアラブル向けチップ」と説明しています。
ただ、S10を半年使って処理速度に不満を感じた場面は一度もありません。通知の確認、ワークアウトの記録、Suica決済という実際の用途で、チップ性能が体感のボトルネックになることがないからです。用途が変わらなければ体感差は出にくいというのが、S10ユーザーとしての実感です。
S11の本当の役割は、速さよりも「新しいセンサーを5秒ごとに回し続けても電池が保つこと」と「watchOS 27のSiri AIを本体で動かすこと」にあると見ています。
健康機能:ここが最大の論点
Series 12の心拍センサー刷新は、地味に見えて今回いちばん大きい変更です。心拍数を5秒ごと、HRVを最大24倍の頻度で測る。これは魅力的です。しかし、日本のユーザーにはもう一段の検討が必要だと考えています。
Apple Watchの健康機能は、日本では薬機法(医療機器承認)の審査を通らないと使えません。過去の実績を見ると:
- 心電図(ECG):米国はwatchOS 5.1.2として2018年12月から利用可(Series 4本体の発売は同年9月)。日本での利用開始は2021年1月——約2年1ヶ月遅れ
- 高血圧通知:Series 11の発表は2025年9月。日本での解禁は2025年12月4日——約3ヶ月
ECGの約2年から高血圧通知の3ヶ月へと、時間差は確実に短縮されています。それでも、新しい健康機能が発表当日から日本で使える保証はないというのが構造です。
そして今回、その構造が別の形で現れました。Health Age(健康年齢)やLongevityタブは薬機法の話ではなく、「まず米国英語から」という言語・地域の展開順序で日本が後回しになっています。血液検査連携にいたっては米国の検査ラボとの提携なので、日本で同じ形で提供されるかどうかも未定です。
規制であれ言語であれ、結果は同じです。Series 12の新健康機能を目当てに買った場合、日本では機能が揃うまで待つことになる可能性があります。
一方、Series 11はどうか。高血圧通知も睡眠時無呼吸検知も心電図も、すでに日本でフル稼働しています。「日本では使えないから待つ」という理由は、11に関してはもう存在しません。
なお、しばしば期待される「血圧の数値測定」は、Series 12でもできません。高血圧通知は血圧計ではなく、30日間のデータから高血圧の傾向を検知して通知するものです。血糖値の測定にいたっては、今回もApple Watchに搭載されませんでした。
準備度スコア:Oura Ringを持っている人には響きにくい
Series 12の「準備度スコア」は、0〜10のスコアで身体の状態を示し、「休養」「無理せずに」「準備完了」「絶好調」という言葉でおすすめを出す機能です。活動量・バイタル・睡眠から算出されます。
Oura Ringを使っている方はお気づきだと思いますが、これはOuraの「コンディションスコア」とほぼ同じ考え方です。筆者は睡眠トラッキングのメインをOura Ring Gen3に任せており、就寝時はApple Watchを外しています。
準備度スコアは睡眠データを前提にした指標なので、その精度を出すには寝ている間もApple Watchを着け続ける必要があります。筆者の場合、就寝時に外している時点でこの機能は活きません。運用を変えるつもりもないので、ここは買い替え理由になりませんでした。
すでに専用の睡眠デバイスを持っている方は、ここを買い替え理由にしなくていいと思います。逆に「指輪は増やしたくない、腕時計1本で完結させたい」という方には、12の準備度スコアはかなり効く機能です。
→ オーラリング(Oura Ring)を3年使ったレビューはこちら|睡眠・回復度の実測データを機構設計者が解説
結論:筆者は12を買いません。ただし、これから買う人には話が別です
半年使った上での正直な結論です。
- バッテリーは困っていない
- チップ性能は用途上ボトルネックにならない
- 健康機能は11ですでに日本フル解禁済み、12の目玉機能は日本で待たされる
- 準備度スコアは、就寝時に着けない筆者の運用では活きない
ただしこれは「すでに11を持っている筆者」の話です。これから買う人には、話が変わります。9月10日の朝にApple整備済製品へ降りてきたSeries 11は9日で完売し、価格で型落ちを選ぶ理由は見当たらなくなりました。次のセクションで実測を載せます。
型落ちSeries 11を安く買う方法(2026年9月19日 実測)
Series 12の発売と同時に、Series 11はApple公式ストアの新品ラインナップから外れました。現在Appleが新品で売っているのはSeries 12・Ultra 4・SE 3の3本です。
Apple整備済製品のSeries 11は、9日で消えました
発表当日の2026年9月10日、Apple整備済製品(公式リファービッシュ)にSeries 11が並びました。その朝に筆者が実測した価格がこれです。
| モデル | 整備済価格 |
|---|---|
| GPS・46mm・アルミニウム | 56,800円 |
| GPS + Cellular・42mm・アルミニウム | 67,800円 |
| GPS + Cellular・46mm・アルミニウム | 73,800円 |
| GPS + Cellular・42mm・チタニウム | 91,800円 |
| GPS + Cellular・46mm・チタニウム | 98,800円 |
Series 11の新品はアルミニウムが64,800円からでした。整備済はそこからさらに安く、9月10日の朝ならGPS・46mmが56,800円で買えた計算になります。
ところが9日後の9月19日に同じページを開いたところ、Series 11は1件も残っていませんでした。そのとき並んでいたのはSeries 10・Ultra 2・Ultra 3でした。
整備済製品は入荷のたびに数が限られていて、条件の良い構成から順に消えていきます。「型落ちが安くなってから買おう」と構えていると、いちばん安いルートは9日で閉じるということです。
では今、どこで買うか──実測したら「型落ちが安い」は成立しませんでした
Apple公式の新品にも整備済にも無い以上、残るのはAmazon・楽天・Yahooの流通在庫です。ところが2026年9月19日に価格を見て、正直こう思いました。
安くなっていません。
| 買う場所 | Series 11 | Series 12 |
|---|---|---|
| Apple公式(新品) | 販売終了 | 71,800円〜 |
| Apple整備済 | 在庫なし | 対象外 |
Series 11は2025年9月19日発売で、アルミニウムモデルが64,800円からでした。Series 12はアルミニウムが71,800円からです。新品の下限は7,000円上がりました。その差を埋める手段だった整備済が、9日で消えました。
つまり、型落ちを選んで安く済ませる道は、9月19日には塞がっていました。
この状況で1世代前を選ぶ理由は、正直ありません。同額ならSeries 12を買ってください。新品なので、価格と在庫は下のボタンから確認できます。
それでもSeries 11を選ぶなら
理由が残るのは「色やサイズの好みで11のほうがいい」という場合です。型落ちの流通在庫は補充されないので、狙いの構成があるなら早めに押さえるしかありません。
※上のボタンに表示される価格は新品のものです。Apple整備済製品の価格ではありません。Apple整備済は在庫の入れ替わりが早く、Series 11が1台も無いタイミングもあります。
保証を重視するなら、整備済の再入荷を待つ手もあります
整備済製品は一度きりの放出ではなく、回収・整備された個体が随時入荷します。急がないなら、Apple整備済製品のページを数日おきに見て、Series 11が戻ってくるのを待つ手はあります。
ただし、いつ何が入るかは公表されません。確実性はない前提で覗きに行く形になります。
整備済のSeries 10という選択肢もありました(9月19日 実測)
9月19日に見たときは、整備済に残っているうち最安がSeries 10(GPS + Cellular・46mm・アルミニウム)の65,800円でした。1世代古くなりますが、Appleの1年保証がつく条件は同じです。ただし9月22日に見直したところ、そのSeries 10も無くなっていました。整備済の在庫は数日で入れ替わります。何が買えるかは、そのつどApple整備済製品のページでご確認ください。
Apple整備済製品を勧める理由
「整備済=中古」と身構える方が多いのですが、Appleの整備済製品は中古販売とは別物です。
- バッテリーと外装は新品に交換されている
- 1年間のAppleの保証がつく
- AppleCare+に加入できる
- 新品同様の箱・純正バンド・充電ケーブルが付属する
フリマアプリや中古ショップより数千円高いことはありますが、保証とバッテリーの状態を考えると、Apple Watchに関しては整備済製品のコストパフォーマンスが頭ひとつ抜けています。腕に24時間巻くデバイスで、バッテリーの素性がわからないものを選ぶ理由はあまりないと思います。
→ Series 11を半年使った実機レビューはこちら(買ってよかった点と、正直に困った点)
機構設計者が読む「新しい心拍センサー」——押し付け問題はどうなったか
ここからは、発表前に筆者が最も注目していた論点の答え合わせです。結論から言うと、筆者の予想は形としては外れました。ただ、注目していた問題そのものは残っています。
なぜ気になっていたかというと、筆者は11でかゆみが出たから
本サイトのSeries 11レビューでも書いた通り、24時間装着を2ヶ月続けたところ、本体裏のセンサーが当たる箇所にピンポイントでかゆみが出ました。バンドが触れる手首全体ではなく、本体裏の一点です。
これは不良ではなく構造上の宿命です。光学式心拍センサーは皮膚に密着していないと正確に測れないので、バンドはきつめに巻く必要があります。その結果、中央に集中しているセンサー部が、狭い面積で強く皮膚に押し付けられ続けることになります。
圧力は「力÷面積」です。同じ締め付け力でも、接触面積が小さければ単位面積あたりの圧力は上がります。11の裏面は中央のドーム部にセンサーが集約されているので、ここに荷重が集中する設計になっています。
予想:8センサーのリング配置 → 結果:そうはならなかった
発表前、DigiTimesを初出として「背面に8個のセンサーがリング状に配置される」というリークが複数メディアで報じられていました。筆者はこれを「接触面積が広がって圧力が分散するかもしれない」という観点で注目していました。
結果として、Appleはセンサーの個数も環状配置も打ち出しませんでした。公式の仕様に並んでいるセンサーは、第3世代の電気心拍センサー、常時計測の光学式心拍センサー、血中酸素ウェルネスセンサー、皮膚温センサー——種類としてはSeries 11から増えていません。
Appleが実際に説明しているのは「新しい光学式および電気式の心拍センサー」と、「光学式心拍センサーの、より大型で電力効率の高いグリーンLED」です。センサーを増やすのではなく、既存の光学式センサーそのものを作り直した、という方向でした。
2026年9月19日、Apple梅田で実機を確かめてきました

自分のSeries 11を腕に着けたまま店頭へ行き、展示のSeries 12(42mm)と裏面を並べて見比べました。サイズを42mmで揃えたのは、46mmと比べると世代差なのかサイズ差なのか分からなくなるからです。
まず、裏面の刻印で素材が変わっていることが分かりました。
| Series 11 | Series 12 | |
|---|---|---|
| 裏面の刻印 | ION-X GLASS | GLASS CERAMIC |
| 前面(アルミ) | Ion-X | Ceramic Shield 2 |
そのうえで、実機を見て分かったことが2つあります。
- 光学部(黒いガラスの円)は、広がっているようには見えませんでした。11とほぼ同じか、むしろわずかに小さく見えるくらいです。※定規で測ったわけではないので、目視の印象です
- 裏面の曲面が明らかにきつくなっています。11より丸みが強く、曲率半径が小さい。横から見ると前面のガラスも同様で、上下とも丸くなっています

そして肝心の装着感ですが、いつも11を着けている締め具合で12を手首に載せたところ、当たりは少し改善しているように感じました。バンドは11・12ともスポーツバンド、サイズも42mmで揃えています。ただし短時間の試着ですし、この程度の差は誤差の範囲かもしれません。はっきり言えるのは、曲率がきつくなったぶん一点に食い込んで痛くなるはずだ、という事前の予想が外れたことだけです。
Appleの答えは「面積を広げる」ではなく「手首に沿わせる」だった
ここが今回いちばん面白かった点です。
筆者は発表前、「接触面積を広げて圧力を分散する」という方向で考えていました。圧力は「力÷面積」なので、面積が広がれば単位面積あたりの圧力は下がる。単純な話です。
ただ、同時にこうも書いていました。手首は平面ではなく円筒に近い曲面なので、裏面の接触エリアを広げるほど外周部が浮きやすくなると。中央だけを押し付ければ密着しますが、広いエリア全体を密着させるには裏面の曲率設計がシビアになります。ここで失敗すると「外周が浮いて測定が安定しない → ユーザーがバンドをさらにきつく締める」という逆流が起きて、装着感はかえって悪化します。
実機を見た限り、Appleはこの難しさを、面積を広げないことで回避しています。広げる代わりに、裏面そのものを手首のカーブに近づけた。面積が同じでも、曲面が手首に沿えば接触は均され、中央一点への集中は弱まります。
参考になるのがOura Ringです。筆者は3年以上使っていますが、同じ症状は一度も出ていません。指輪型は接触面積そのものは小さいものの、リング全周で均等に荷重を受けるため、特定の一点に圧力が集中しない構造になっています。面積の大小より、荷重が均等に散るかどうかが効くという例です。Series 12の裏面も、同じ考え方に寄せてきたように見えます。
素材の変更も、ここにつながっていると読んでいます。強化ガラスは平面か緩い曲面が作りやすく、深い曲面にすると強度を確保しにくい。ガラスセラミックは結晶化させた分だけ強度と成形の自由度が高くなります。きつい曲面を成立させるために素材を替えた、という筋です。前面がCeramic Shield 2になったのも同じ方向でしょう。
「傷に強い新素材を採用しました」で終わらせず、その素材でなければ作れない形があったと見ると、今回の変更はかなり筋が通っています。スペック表だけ眺めていると絶対に出てこない読み方です。
ただし放熱の面では、裏面のガラス比率が高い構造は金属より熱を通しにくいという事情が残ります。ガラスセラミックの熱伝導率は組成によって幅があるため、ここは数字で語れません。長時間の高負荷でどう出るかは、実機を長く使った人のレポートを待つところです。
セラミックだけサイズが違う、という設計上の面白い点
今回の仕様で個人的に一番おっと思ったのが、これです。
Series 12は「42mm」「46mm」の2サイズとして売られています。ところがApple公式の仕様表を見ると、縦の実寸が素材によって違います。アルミニウムとチタニウムが42mm/46mmなのに対し、セラミックだけ43mm/47mmと別記されているのです。
セラミックは硬くて傷に強い一方、金属のように粘りがなく、衝撃で欠ける方向に壊れます。同じ強度を確保しようとすると、どうしても肉厚を稼ぐ必要が出てきます。その1mmは、おそらくそのための余肉です。
カタログ上は同じ「46mm」として並んでいるのに、実寸では1mm大きい。素材の性質が製品寸法に素直に出ている例で、こういう地味な差分を見つけるのは設計をやっている人間の職業病みたいなものです。
→ Series 11を24時間装着して気づいた「本体センサー部の押し付け」の話はこちら
発表前の予想、答え合わせ
この記事は発表前(2026年8月23日)に、リーク情報を確度別に整理して公開していました。外した予想も含めて、そのまま検証します。
| 予想 | 事前の確度 | 結果 |
|---|---|---|
| 新チップ搭載(S11/S12名称未確定) | 高 | 的中。名称は「S11」。Series 11がS10だったので、数字のずれはそのまま継続 |
| 背面8センサー・リング配置 | 中 | 外れ。個数も環状配置も打ち出されず。9/19に実機の裏面を11と並べて確認したが、光学部が広がった様子もない。実際に変わったのは裏面の曲率と素材(ION-X GLASS→GLASS CERAMIC) |
| Touch ID搭載 | 低 | 外れ。公式の仕様に記載なし |
| 血糖値センサー | 否定的 | 的中(非搭載) |
| ケース・バンドの互換性維持 | 中 | ほぼ的中。42mm/46mmのサイズは据え置き。ただしセラミックのみ仕様上の縦寸法が43mm/47mm |
| 9月9日発表・9月18日発売 | 高 | 的中。日本時間9月10日発表、9月18日発売 |
| 新健康機能は日本ですぐ使えない | —— | 的中。ただし理由は薬機法ではなく「まず米国英語から」という言語・地域の展開順序だった |
いちばん大きく外したのは背面センサーです。「センサーを増やす」という発想で読んでいましたが、Appleの答えは「センサーの種類は増やさず、心拍センサーそのものを作り直す」でした。数を増やすより既存を磨くほうが、消費電力にも装着感にも無理が出にくい。言われてみればそちらのほうが筋の通った選択です。
逆に手応えがあったのは「日本ではすぐ使えない」の部分でした。薬機法という読み筋そのものは今回外していますが、Appleの健康機能が日本で揃うまでには時間がかかるという構造の見立ては当たっています。買う前に「その機能、日本で使えるのか」を確認する習慣は、Apple Watchに関してはこれからも有効だと思います。
実機の装着感と型落ち価格の動きは、2026年9月19日に実測して本文へ反映済みです。整備済製品の在庫は今後も動くので、変化があればまた追記します。
出典
本記事の仕様・提供時期は以下のApple公式ページを2026年9月10日に、整備済製品の在庫状況は2026年9月19日に確認したものです。
- Apple Watch Series 12を発表(Apple Newsroom 日本)——発売日・価格・準備度スコア・HRV測定頻度
- Apple Watch Series 12 技術仕様(Apple 日本)——S11チップ、センサー構成、ケースサイズ(セラミックの43mm/47mm表記)
- Introducing Apple Watch Series 12(Apple Newsroom 米国・英語)——グリーンLEDの大型化、Healthアプリ刷新の提供時期と対象地域
- Apple Watch 整備済製品(Apple 日本)——型落ちの価格と在庫(9/10に5構成あったSeries 11は9/19時点で0件)
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
機構設計者として量産品の構造・熱・耐久を見てきた視点で、スペック表に出ない部分を書いています。実機がある記事にはその旨を明記し、持っていない製品は公式スペックの範囲だと断っています。
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