この記事を書いた人
tetsu7017
副業マルチクリエーター
ブログ歴10年/DTM音楽、AI画像、HP制作
SEO検定1級取得、IT機器機構設計エンジニア
1970年福岡生まれ、大阪住み
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筆者がDTMやり始めたころ、ミキシングや録音時に、音が薄く感じたり、音質が劣化していると感じたことがありましたが、その原因や対処法がわからなかりませんでした。同様に困っているかたのために情報共有いたします。
その音質劣化の原因の大半は、位相ずれです。
この投稿では位相ずれの原因とその対処法を説明します。
位相(フェーズ)の問題が音質に悪影響を及ぼすことがあります。特に、複数のマイクで同じ音源を録音する際や、同一音源の複数の信号を組み合わせる際(複数のトラックを組み合わせる際)に、位相のずれが生じることがあります。これにより、特定の周波数が強調されたり、逆に打ち消されたりして、音が薄く感じられることがあります。位相の問題は音質に大きな影響を及ぼすため、録音やミキシングの際には注意が必要です。また、左右のチャンネル間で位相がずれると、モノラル再生時に音が打ち消し合うことがあります。
位相補正を専門的に行うには、専用のプラグイン(MeldaProduction MAutoAlignやWaves InPhase)を使用することをおすすめします。手動で行うとトラック数が増えるにつれ、手動による位相の確認と修正の作業が膨大になるため(後述)です。これらのツールは、位相の問題を自動的に検出・修正し、音質の向上に役立ちます。
費用対効果があり、作業効率化できる専用プラグインの購入をおすすめします
詳細はMAutoAlign操作方法の記事をご確認ください。
下記手順を組み合わせて、位相ずれが発生しているトラックを特定し、適切な対処を行いましょう。
プロジェクト全体をモノラルに変換して再生します。この際、音が薄くなったり特定の要素が消える場合、位相の問題が疑われます。
モノラル出力方法
各トラックをソロ再生し、音質や音量の変化を確認します。特定のトラックをソロにしたときに音が明瞭になる場合、そのトラックに位相の問題がある可能性があります。
Cubaseの場合、波形の拡大は「H」キー、縮小は「G」キーです。
「SuperVision」プラグインを使用して、位相の問題を視覚的に確認します。
SuperVisionとは、Cubaseに付属している位相解析を行うための標準プラグインです。このプラグインは、レベル、スペクトラム、位相、波形など、さまざまなオーディオ情報を視覚的に分析するためのプロフェッショナルなツールです。特に、位相に関するモジュールを活用することで、オーディオ信号のチャンネル間の位相関係や左右バランスを詳細に視覚化できます。
コントロールルーム(CR)のInsertに挿して使用するのがおすすめです。
問題のあるトラックの位相を反転させ、音質の変化を確認します。位相反転により音が改善される場合、そのトラックに位相の問題があったと判断できます。後述の「位相反転のやり方」を参照ください。
Cubaseで位相補正を手動で行うには、以下の手順をお試しください。これらの手順を組み合わせて、位相の問題を手動で補正します。
単独トラックで聞いた場合、位相反転前と後では変化は分かりませんが、複数トラックで聞いた場合変化が分かります。
位相反転方法
チャンネル設定の位相反転ボタン
オーディオイベントへの適用方法
波形を前後に微調整し、他のトラックと位相を合わせます。山と山、谷と谷を合わせる感じですが、完璧に合わないため聴感上での調整になります。
位相と干渉は重要な役割を果たします。例えば、複数のマイクで同じ音源を録音する際、各マイクに音が到達する時間差によって位相差が生じることがあります。(ドラムが代表例です)この位相差により、特定の周波数帯域で音が強調されたり、逆に減衰したりすることがあります。特に低音域では、位相干渉によって音が痩せてしまう(音量や厚みが減少する)ことがあり、ミキシング時に注意が必要です。このような位相干渉を防ぐためには、マイクの配置や録音環境の工夫、さらには位相補正プラグインの使用などが効果的です。
また、音楽制作では意図的に位相の特性を利用して、フェイザーやフランジャーなどのエフェクトを作り出すこともあります。これらのエフェクトは、信号を微妙に遅らせて元の信号と混ぜ合わせることで、独特のうねりや揺らぎを生み出します。
音楽業界におけるレコーディング時の位相ズレの問題は、複数のマイクを使用する録音技術が普及し始めた1960年代から認識され、対策が講じられるようになりました。特に、ドラムセットやピアノなどの楽器を複数のマイクで録音する際、各マイクと音源までの距離の違いによって位相のズレが生じ、音質に影響を与えることが明らかになりました。このため、エンジニアはマイク配置や録音手法を工夫し、位相の問題を最小限に抑える努力を続けています。
位相ずれは音質劣化の主な原因であり、特に複数のマイクを使用した録音や複数トラックの組み合わせ時に発生しやすい問題です。本記事では、位相ずれの基本的な原因から、Cubaseを使用した手動での位相補正方法、さらには専用プラグインを活用した効率的な解決策まで、具体的な手順を詳しく解説しました。これらの対策を実践することで、音質の向上が期待できます。位相問題を正しく理解し、適切に対処することで、よりクリアでプロフェッショナルなサウンドを実現しましょう。
よろしければ引き続きこちらをお読みいただくと、知識が深まります。
\エフェクトの種類と概要を解説/
\Ozon11マスタリングについて詳細解説/
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