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DTM打ち込みガイド:EAST ASIA VSTインストゥルメントプラグインで箏をリアルに再現!
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DTMで箏(こと)の奏法を再現するには、まず実際の和楽器の演奏法を理解し、それをMIDI打ち込みや音源の機能で表現する必要があります。以下に整理します。
クリックして読める「目次」
箏の基本
箏の基礎知識
- 指にはめた爪(ピック)または指(あるいは手の爪)で弦(絃)を弾いて音を出します。
- 弦は13本なので、調弦で決めた13音が基本です。
- 奏者から見て奥の低い音から、弦を一、二、三、、、十、斗(11)、為(12)、巾(13)と呼びます。
- 箏の音域(13弦、C3〜B5程度)
- 例えば「平調子」や「雲井調子」など、曲に合わせて調弦によって音程(スケール)を決めます。
- 柱(じ)と呼ばれる可動式の支柱を左右に動かして弦の音程を調節します。
- スケールが固定されるため、同じ箏ではすぐに転調はできません。
古典曲で使用する代表的な調弦
西洋音楽はⅭ(ド)を基準にしますが、日本の古典楽曲はD(レ)を基準とします。
調弦 | スケール |
---|---|
平調子 (ひら) | ・箏の基本的な調弦 ・一と二の間だけ、Ebがないことに注意 ・『さくらさくら』 ・都節音階 |
雲井調子 (くもい) | |
半雲井調子 | |
本雲井調子 | ・岩戸音階 |
中空調子 (なかぞら) | |
古今調子 (こきん) | |
乃木調子 (のぎ) | ・Gメジャーペンタトニックと同じ構成音 ・律音階(ヨナ抜き)、田舎節音階 |
楽調子 (がく) | ・Cメジャーペンタトニックと同じ構成音 |
East Aisa「Koto」Scaleの調弦対比表
East Aisa「Koto」Scale名 | 調弦(スケール名) |
---|---|
Kumoijoshi | 平調子(都音階) |
Hirajoshi | 中空調子 |
Iwato | 本雲井調子(田舎節音階) |
KumojoshiとHirajoshi について、販売元のNative Instruments 社に
Scale名修正をリクエスト中です。
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リアルな箏の基本奏法とDTMでの処理
スクロールできます
奏法 | 弾き方 | DTMでの処理 |
---|---|---|
後押し | 左手で弦を押さえて音程を半音(弱押し)または全音(強押し)上げる。 | ピッチベンドで再現 |
突き色 | 右手で弾いた直後に左手で押さえてすぐに力を緩める。音が瞬間的に上がり、すぐに元の音高に戻る。 | ピッチベンドで再現 |
引き色 | 左手で弦を強く掴み、柱(じ)のほうへ引っ張りながら音高を下げ、力を抜いて元に戻す。 | ピッチベンドで再現 |
すくい爪 | 下から弾き上げる動き。 柔らかい音を出す。 | アタックが弱くなるので、ベロシティを弱めに設定。 |
かき爪 | 隣り合った2本の弦を手前に向けて素早く弾く | 隣り合う一弦目(低音側)から発し、2弦目(高音側)を少し遅れて設定 |
すり爪 | 爪を弦上でこすって滑らせて摩擦音を出す。 | 確認中 |
散らし爪 | 爪と糸が擦れ合うことで箏独特の音を生み出す。連続して弾くことで美しい音を作り出す。 | 確認中 |
合わせ爪 | 右手の親指と中指で2本の弦を同時に弾く。オクターブ奏法。 | キースイッチまたはオクターブ入力 |
トレモロ | 高速で同じ音を弾く。古典にはない新しい奏法。 | キースイッチまたはモジュレーション |
ハーモニクス | 特定の位置を軽く触れて高次倍音を鳴らす。 | キーやスイッチ |
流し爪 グリッサンンド | 巾から一(高音から低音)へ素早く鳴らす。 弦を連続的に弾いて音を滑らかにつなげる。 | 鍵盤上で連続した音を素早く弾く(スケールラン)ことで簡易的に再現できる。 速度とベロシティを調整し、箏特有の減衰と爪のアタック感を再現する。 |
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DTMでの生っぽい箏演奏表現のコツ
VSTインストゥルメントプラグイン(音源、ソフトシンセ)
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EAST ASIAに本格的な箏音源「Koto」 あり。アーティキュレーションに必須のキー・スイッチつき。
アーティキュレーション・キースイッチ
トレモロ・ピチカートなどをキー・スイッチで切替。
音の強弱
ベロシティーで音の強弱を細かく表現。(エクスプレッションでは反応しない)
エフェクト
箏は余韻が長いので、ホール系リバーブで少し長め(1.8〜2.2秒)に設定。
(EAST ASIA「Koto」には内臓リバーブが設定されておりデフォルトでも問題なし)
打ち込み
- 基本スケールと和音を打ち込む 奏法を1つずつ追加していく(例:押し手だけ、次はトレモロも)
- 人間的な間(タメ)
- ベロシティを均一にせず揺らす(特に和音の中音を少し弱く)
- 音の発音タイミングを数ミリずらす(和音を完全同時にしない)
ヒューマナイズの記事も参照してください。
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EAST ASIA「Koto」使用した箏奏法の打ち込み例
以下は箏らしい音色になりますので、ぜひ取り入れたい打ち込み例です。
後押し
音源サンプルは、D音で ①ノーマル ②キー・スイッチ「BendUp」 ③~⑤ピッチベンドとなっています。
②キー・スイッチ(アーティキュレーション)があまり忠実ではないので、③~⑤ピッチベンドで処理したのほうがよいです。
後押しはタイミングによって3種類あって、③後半、④弾いた直後、⑤下降形の次の音との間 となっています。
⑤は箏らしい音で好きです
合わせ爪
音源サンプルは、平調子で ①ノーマル ②キー・スイッチ「Octave」 ③1オクターブ上のノートを追加入力後、位置をずらした(ヒューマナイズ)
EastAisa「Koto」のキー・スイッチ(アーティキュレーション)はまずまず使えそう。
③オクターブ入力のほうが弾いている感があるので筆者の好みです。
流し爪
音源サンプルは、平調子で ①キー・スイッチ「GrissDown」 ②平調子の巾(13番目最高音)から一(1番目最低音)のスケールノートを入力。
キー・スイッチ(アーティキュレーション)の「GrissDown」 は西洋音階での3音程度なので、違和感あり。
流し爪(スケール音でのグリッサンド)にするには
EastAisa「Koto」の場合、打ち込みになります。
かき爪
音源サンプルは、平調子で ①はベロシティー強め、②は弱めでインプット。
トレモロ
音源サンプルは、D音で ①ノーマル ②キー・スイッチ「Trem Short」特徴的な短いトレモロ ③「TremVelo」ノーマルなトレモロ ④「Tremolo」弱いトレモロ ⑤モジュレーション(cc1)でトレモロの強弱をつけています。
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箏奏法の勉強方法
YouTube動画で観察
- プロ奏者の手元アップ動画を見て、奏法と音のニュアンスを確認
- 特に「音が切れるタイミング」「余韻の長さ」「強弱の付け方」をメモ
EAST ASIA「Koto」のPerformを確認
- EAST ASIAのKotoのPerformをMIDIノート化し、確認する
PerformのMIDI確認の方法
STEP
アイコンをドラッグして移動する
STEP
MIDIレーンで離すとMIDIノートが現れる
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出典
- 動画京都教育大公式:箏1-8 多彩な奏法紹介1 スクイヅメ、ピチカート
- 動画京都教育大公式:箏1-10 多彩な奏法紹介2 ヒキイロ、カキヅメ、ワリヅメなど
- トテトテ 箏の奏法⑫【麗明佑美香 箏・三味線教室】
- 箏曲演奏家 福田恭子:箏の調絃の種類について
- 箏曲演奏家 福田恭子:箏・三絃の楽曲における生物および自然描写・感情表現の方法について
- 教育芸術社:箏を弾こう 奏法編 後押し
- 教育芸術社:箏を弾こう 奏法編 流し爪
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まとめ
箏をDTMでリアルに再現するには、実際の奏法や調弦の理解と、それを音源やMIDI打ち込みで表現する工夫が欠かせません。EAST ASIA「Koto」はアーティキュレーションと音質で本格的な再現が可能ですが、ピッチベンドやベロシティを組み合わせることで、より生き生きとした演奏表現ができます。今回紹介した奏法や打ち込みのポイントを取り入れ、あなただけの和楽器サウンドを作り上げてみてください。
次の記事も、きっとあなたのお役に立ちます。気になる方はこちらからチェック!
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